旅と関係人口:関係人口を学ぶ3冊の書籍紹介。

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

2018年2月号のソトコトで関係人口が特集されます。

今まで『関係人口』という言葉を聞いたことがなかった人も、今回の特集を通じて関係人口を知り関係人口を考えるきっかけになるのかもしれません。

『関係人口』とはなんなのか。

今回はソトコトの次号予告文とともに、ちょっと理解が深まる三冊の本を改めて紹介したいと思います。

関係人口入門 ソトコト

次号予告の文面に『関係人口』についての説明書きがあったので、コチラを紹介します。

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▼次号予告 2018年2月号[特集]関係人口入門 | ソトコト

観光以上、移住未満の、第三の人口!

交流でもなく定住でもないローカルイノベーション、それが「関係人口」です。この関係人口が増えていくことで、地域が盛り上がり、幸せになっていく。

観光以上、移住未満と捉えられる関係人口ですが、実はここから相当数の移住者が各地に生まれています。関係人口の存在を知ることで、「移住の先」が見えてくる。

この号では「自分のかたちでまちと関わりたい」と考える関係人口が、どのようにして移住へと移行していくのか、そのプロセスを、「関係人口ど真ん中の人」「関係案内所」「関係人口を迎える人」をもとに、解析していきます。関係人口をより深く理解するための、入門特集です!

交流でもなく定住でもないローカルイノベーション。

ソーシャルな取り組みが盛んな、ファンのついている町では想像しやすい言葉だと思います。また、どこかの町のファンになってしまっている人にとっても、直ぐに理解できる言葉ではないでしょうか。

ただ、地方の町との繋がりがない人、ほかの町の人との繋がりが薄い地方の町では、まだまだ実感しずらい言葉なのかなと思います。

簡単にいうと『関係人口』とは、町のファンになった人が、何かしらのカタチで町と関わりをもっている状態です。ファンに対して、町と関わる方法『関わりしろ』を町が上手く提示することで、関係人口は増えていきます。

よって単なる移住者を差す言葉でもないですし、観光で遊びに来る名の分からない無名の旅行者、すなわち『交流人口』のことを差す言葉でもありません。

『今こんなことが起こっている。』

まだあまり実感のできない方々には、先ずは書籍や情報を通じてからでも、今の世の中の流れや雰囲気を感じ取ってもらうといいのかもしれません。

関係人口を学ぶ3冊

冒頭で少し触れた、『関係人口』の考え方が深まる3冊の本を紹介します。

都市と地方をかきまぜる

この『関係人口』という言葉を使い始めたのは、東北食べる通信を立ち上げた高橋博之さんだといわれていて、彼の著書『都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』ではこのように書かれています。

養老さんは「都市の脳化社会の病いを克服するためには、都市が排除している自然に定期的に触れることが大事だ」と言っている。まったく同感だ。

地方自治地体は、いずこも人口減少に歯止めをかけるのにやっきだが、相変わらず観光か定住促進しか言わない。しかし観光は一過性で地域の底力にはつながらないし、定住はハードルが高い。私はその間を狙えと常々言っている。

観光でも定住でもなく、「逆参勤交代」で地方を定期的に訪れるというニーズは、広がる一方だと思う。交流人口と定住人口の間に眠る「関係人口」を掘り起こすのだ。

都市と地方をかきまぜる P107

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一言レビュー: 

先の東日本大震災からの復興劇、食や自然、生きかた働きかた、食べる通信に施した多くの仕掛けについてなど、地方創生のことを皮切りに多岐にわたることに触れている。

食や自然に対する意識が高く、思想を持っている人だなーという部分もあるがクドくはなく、地方と都市の対比や両方の活かしかたについても書かれていて、共感できる部分がとても多かった。

元新聞社を目指していた現編集長ということだけあり、言葉を文章にすることに優れていて、読み物としてもとても面白い一冊だった。(養老さん・藻谷さん・宮崎駿さん好きには、どんぴしゃな一冊だと思う。)

ぼくらは地方で幸せを見つける

続いて紹介したいのは、『関係人口』という言葉を世に広めるきっかけになった、ソトコト編集長 指出一正さんの著書『くらは地方で幸せを見つける (ソトコト流ローカル再生論)』。

地方を元気にする方法として、これまでは移住者が増えて人口増を目指すことか、観光客がたくさん訪れることによって経済効果が上がるかのどちらかが主流でした。

しかし、日本はこれからどんどん人口が減り、東京ですら2020年には人口減に転じると予測されているなか、このふたつの方法で人を集めることはどの地域でも難しくなっています。

地方の課題は、人口減に歯止めをかけることではない。そこにいち早く気づいた地域が、真っ先に取り組んでいるのが「関係人口」を増やすことです。

くらは地方で幸せを見つける P218

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一言レビュー:

都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡』と比較すると、関係人口という言葉を更に深掘りしている印象があり、各地域にいるローカルヒーローを事例に挙げながら実態のある具体的な話と共に知見を拡げてくれる。

また「逆参勤交代」にとどまらない多様な関わり方として、関係人口を「未来を拓くキーワード」として紹介している。今の20代~30代前半にかけての『ソーシャル世代』の価値観が感じられる一冊。特に第5章『地域の未来をみんなでつくる』の部分は必読です。ソトコト編集長の指出一正さんの著書。

関係人口をつくる

最後に紹介したいのは関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション』。関係人口という概念の共有に一番文字を割いている書籍で、この言葉についての認識を深める本として、現段階でこれ以上優れている本を僕は知りません。

あらためてまとめると、これまでの定住も交流も、社会的インパクトは関係なく、どれだけ地域に滞在していたかという時間軸の評価の指標で、見られていたと思います。

一方、関係人口は、滞在時間にかかわらず、たとえ離れていても地域のファンを増やしたり、地域の特産品を売ったり、投資を呼び込んだり、新しいアイデアをもたらしたりする存在であり、その結果、地域にインパクトを与え、役に立つということにつながると言えます。

関係人口をつくる P065 

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一言レビュー:

関係人口についての専門書といっても過言ではないくらい、関係人口という言葉の概念や具体的な関わりしろの話などが書かれている一冊です。

日本で唯一のローカルジャーナリストという職業を名乗っている、田中輝美さんだからこその視野や柔軟性が表現されている一冊だと思います。そして、その視野の広さや柔軟性こそが、関係人口という言葉を分かりやすく解説してくれるのだと思います。関係人口を学ぶための必読書。

おわりに

必ずしも定住がゴールではない

僕が『関係人口』という言葉が好きなのは、「こうでなきゃならない」という発想ではなく、無理なく地域と関わる『関わりしろ』を考える提案であるところです。

必ずしも移住・定住をゴールにしない…という考え方が根本にあるおかげで、「住むつもりがないなら関わるな」という元来的な考え方が和らぎ、ヨソモノの関わりしろが多様に増えていくことで、お互いに『イイ感じ』の関係性が無理なく維持できるのかなぁと思っています。

働きかたにしろ生きかたにしろ、「こうあるべき」「この型にはまれ」が強い社会に息苦しさを感じる世代なので、「それもありだよね」「面白い関わりかただね」と、社会全体で許容していく風土が出来ればなぁと思っています。

消耗しない長い関係性を目指して

ただ、地域課題や向き合うべき問題が多いのも事実で、そこを伏せながらヨソモノに消耗してしまう関係になってしまっては元も子もありません。現状はあくまで、受け入れる側が選択する手段としての関係人口なのかなぁとも思っています。

僕自身 根無し草のような動き方になってしまいがちなので、今しばらく受け入れ側の体験や共有を増やしていきたいし、地域とヨソモノ 間で、お互いに『ウィッシュリスト』を見せ合って、交われる接点を面白がれたらいいなぁと思います。

関係人口とは

関係人口とは、言葉のとおり「地域に関わってくれる人口」のこと。自分でお気に入りの地域に週末ごとに通ってくれたり、頻繁に通わなくても何らかの形でその地域を応援してくれるような人たち。

ブログ『日本微住計画』では、提唱する『微住』という滞在スタイルに非常に親和性の高さを感じているので、『関係人口』関連の記事を別カテゴリーで蓄積することを始めました。

平成30年度、総務省では「関係人口創出事業」に対し2.5億円の予算を既に計上しており、今後一層注目される言葉になっていくと予想しています。

▼ブログ内の『関係人口』記事はこちらに

https://satoshohei.com/kankeijinkou-matome/


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サトウ

関係人口を学ぼう。

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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