こんにちは。
ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。
何か新しいプロジェクトを立ち上げるときに、枝葉をつけるための主軸となる幹、すなわち『メインコンセプト』は非常に重要です。
「こんなことやったら面白そう!!」と、色々と枝葉の企画を提案することも必要ですが、何のためにやるのか、誰のためにやるか、ここでやることが適正か…など、ワクワクする心を尊重しながらも、きちんと見定めていく幹が重要になってくると思います。
プロジェクトコンセプトを考える
このような視野を学ばせてもらった取り組みとして、すぐ頭に浮かぶのは直近で関わったこの二つでしょうか。
白川郷ヒト大学のコンセプト
夏に関わった白川郷ヒト大学は、『ヒトを通じて学ぶ大学』という明確なメインコンセプトがありました。よって、講義やゼミや部活など、大学にある様々な要素に『多様なヒト』を交ぜ、分かりやすく面白がれる仕組みでした。(僕も教授として参加した。笑)
リビセンのコンセプト
先日のイベント講師でもあるリビセンは、リノベーション会社でも単なる古材屋でもなく、『ReBuild New Culture』という理念を持つ会社です。
私達の理念は”ReBuild New Culture”。
それは「次の世代に繋いでいきたいモノと文化を掬い上げ、再構築し、楽しくたくましく生きていけるこれからの景色をデザインする」ということ。
この理念に当てはまること【だけ】をやるし、この理念に当てはまること【なら】やる。選択が明確でシンプルです。空間デザイン、カフェ、古材レスキューやDIYワークショップなど、枝葉をつけながらも、違和感のない一貫したものがそこに宿っています。
ホシスメバのコンセプトとは…
このように、大枠のコンセプトさえ決まれば、枝葉は自然とついてくるし、そこに沿わないものも自然と選別できます。
今回関わった『ホシスメバ』のメインコンセプトは何だろう。ツアー参加者として、僕なりに「今の答え」を出してみたいと思い、提案記事のようなものを書いてみました。
ホシスメバとは何か、体験レポート記事はこちらです。
注)この記事は、佐藤の妄想がベースとなっています。実際に計画されている『ホシスメバ』事業とは異なり、あくまで「こんな感じになったら面白そう!!」という個人的提案を記事にしたものです。よって、それ以上の意図がないことを予めご了承下さい。
コンセプトは『現代のリハビリテーション』
『コとマチをクラフトする。現代のリハビリテーション施設 ホシスメバ』
今回僕がコンセプトとして考案したのはこれです。
建物としての元来的な存在意義『リハビリテーション施設』を通じて、未来へ繋ぐ新しいヒトとコト、コミュニティを作る場所。
リハビリと聞くと、ケガ人やお年寄り、病院のようなイメージを想像してしまいますが、元来的なリハビリテーションの意味はもっと広域なものらしいです。(と、ウィキ先生がいってる。)
リハビリテーション(英語: rehabilitation)とは、身体的、精神的、社会的に最も適した生活水準の達成を可能とすることによって、各人が自らの人生を変革していくことを目指し、且つ時間を限定した過程である。
リハビリテーションの語源はラテン語で、re(再び)+ habilis(適した)、すなわち「再び適した状態になること」[2] 「本来あるべき状態への回復」などの意味を持つ。
また、猿人と原人の中間に意味するホモ・ハビリス(homo habilis、「器用なヒト」)が、道具を使い人間にふさわしいという意味でも用いられ、適応、有能、役立つ、生きるなどの意味も含有し、リハビリテーションの語源ともいわれている。
「このリハビリテーションって言葉、現代の様々なアクションを言い当てる言葉な気がする。」…リノベーションツアーのまとめの会でも、リハビリテーションの言葉の意味を引用し、そんなところから思考を深めていきました。
ブロガー取材枠で参加していたA1理論はミニマリストさん( @A1riron )も、ツアーを振り返るブログ記事で、このリハビリという言葉を拾ってくれ、このような表現をされていました。
▼下諏訪の巨大移住者施設『ホシスメバ』ついに始動!東野唯史さんリノベツアー第1弾3日目『仲間と居場所』!
ここからは僕の意見になりますが、、、
『資本主義』は20世紀の人類が避けては通れない生き方だった と僕は考えています。
…
しかし、その『資本主義』の錦の御旗の元に、産業革命、工業革命、そしてIT革命を推し進めていった結果、21世紀初頭の人類は、「行き過ぎた『資本主義』へのリハビリ」 を欲しているようにも思える。
ミニマリズムもそうだろうし、リビセンのようなリノベやDIO、ゲストハウスもそうなのかもしれない。
20世紀の『資本主義』で失われた「コミュニティ」に対するリハビリ。
それは、単に、19世紀の地縁血縁の世界の「コミュニティ」に戻すことでも、20世紀のバブル以前の職能集団、つまり企業単位の「コミュニティ」に戻すことでもないと、僕は思う。
今の時代は、スマホもあるし、facebookも、twitterも、はてなブログもある!
そういう、20世紀の『資本主義』で培った技術の恩恵も受けながら、「新しいコミュニティ」を再構築していくことが、真のリハビリであり、リノベーションであり、文化のリビルディングなんじゃないかな?
人類社会のアップデート。
まさに、それ。それだと思います。(感想雑 ww)
一人ひとりのリハビリ
働きかたや生き方が見直される時代、人との繋がりかたやコミュニティが見直される時代、古材や空き家活用などが見直される時代、食にしても健康にしても環境にしても、様々なものごとが、いま見直されています。
迷ったりもがいたりしながらも、そこと向き合い始めている多くの人が、自分なりに答えを探そうと、日常に変化を与えることを選択し始めています。
まさしく、リハビリテーションの語意である「再び適した状態になること」「本来あるべき状態への回復」へ向かっているのではないでしょうか。
ただの原点回帰(リセット)ではなく、今の時代にあった状態に更新(アップデート)していくような意識です。
町のリハビリ
この流れは、一人ひとりの話というだけではなく、もう少し広域な社会全体にも派生いるのではないでしょうか。
今回の『ホシスメバ』を起点に考えるとすれば、何故こんなに大きな施設を下諏訪町が買い取り、新しいプロジェクトを始動する必要があったのでしょう。これは、町の人の方がより明確に見えていることだと思います。
『何をどのように継いでいくか。』
都内で消耗している人や次の生きかたを模索している人、価値観の再設定や新しい視野で日常を楽しむことなど、マスヤやリビセンに惹きつけられる人やその要素を考えてみても、もしかすると既に、リハビリの場として使われているのかもしれません。
クラフトする。とは
一人ひとりの『コのリハビリ』と、町全体としての『マチのリハビリ』。そして、その両者を繋ぎ合わせることの出来る『接点』。この接点を、関わりしろとしてクラフトすると、両者にとって必要かつ面白がれる部分が見えてくるような気がしました。
例えば、こんな感じです。
コ:リノベーション技術を学びたい
マチ:空き家を改修してくれる人を募りたい
接点:学びながら改修をしよう。
コ:健康的な食生活を送りたい
マチ:昔からある食文化を継ぎたい
接点:食を味わい、継ぐを考えよう。
コ:故郷がほしい
マチ:関わってくれる人がほしい
接点:みんなで故郷のように使おう。
このように、コとマチの「接点」を考えていくと、主軸である『現代のリハビリテーション施設 ホシスメバ』に枝葉をつけたり、反対に枝葉を剪定したり、より必要なものが見えてくるような気がしました。
『楽しみながら問題解決をし、それを未来へ継ぐ』ということを、『クラフトする』という下諏訪に似合う言葉(造語)を用いて、創造していったらどうでしょう。
(リハビリという言葉の響きよりは、前向きで面白がれる気がする)
リノベーターインレジデンス
また、更に個人的妄想を進めるなら、ほかの町では出来ないようなこと、この町だから出来ること、全国的にモデルケースになりうることなんかが、下諏訪で出来たら最高に面白いなーと思いました。
下諏訪という場所の特性を生かして…
地方での暮らしに興味のある人が、リノベーションやものづくりを対価に住む、地方移住と都市生活の真ん中にある「下諏訪 暮らし体験」が出来る拠点。『リノベーターインレジデンス』のような取り組みとか
地方から都内に参勤交代に出る人、都内から地方に逆参勤交代に出る人に、旧中山道の下諏訪宿をセーブポイントとして使ってもらうような仕組み。とか
アクセスの良さや立地、元来的な下諏訪宿としての機能を、現代版にアップデートしたような取り組みは、とても似合っている気がします。
リノベーション結社を結成する
クラフトタウン構想を生かして…
(こんなツイートもしてたな。笑)
合掌造を葺き替える際に人が集まる白川郷の結のように、リノベーション結社を町単位で作って、道具を共同購入・共同管理しながら、順繰りに物件回っていく活動があっても良いのかも。
空き家をリノベーションして作り替えてから販売することも、事業として行っても良さそうだよな。 pic.twitter.com/hwljTH896t
— 佐藤翔平 12/11〜14 高知 (@temporubato_yh) 2017年12月5日
まさに、リビセンがやってることを町の事業のような感じで取り入れる発想。
共同でレスキューした木材を管理・販売する空間を管理して、そこでは道具や古材や人材シェアも行って、なんなら関係案内所となるコミュニティ拠点にもしてしまう。 pic.twitter.com/R0VPU1LBmg
— 佐藤翔平 12/11〜14 高知 (@temporubato_yh) 2017年12月5日
『みんなで町をつくる。』を、現状あるソフト面からだけでなく、ハード面からもアプローチできる町づくり。
下諏訪では『各人の家を各人の繋がりでリノベーションして住む』が日常的な文化になっていたし、そういう意味でもクラフトタウン構想は面白いと思うなぁー。
他地域のモデルにもなりそう。 pic.twitter.com/z5Lc9TO7Lg
— 佐藤翔平 12/11〜14 高知 (@temporubato_yh) 2017年12月5日
結局のところ、町づくりって『町の価値を高める』→『最終的には土地の価値が高まる』になるわけだから、ただ行政が税金欲しさに介入するのではなく、不動産も絡めて共存する仕組みにした方がいいのだと思う。
行政×不動産×リノベ結社(第三セクターかな)の仕組み、この下諏訪なら実現出来そう。 pic.twitter.com/mSIhDwvC8V
— 佐藤翔平 12/11〜14 高知 (@temporubato_yh) 2017年12月5日
各地で『リビセン』を持つ
更に更に勝手な妄想を進めると、空き家活用、取り壊し後のゴミ問題、移住者の受け入れ、コミュニティづくり…など、地方でみてきた課題や取り組みを考えると、各地域ごとに『リビセン』があればいいのにと思いました。笑
レスキューコミュニティ
古材のレスキュー&管理、道具の共同管理&作業場、助け合えるコミュニティとしての役割、町の玄関口の一つとしての関係案内所の機能…などを、『リビセン』という言葉と共に、一つの概念として社会と共有するイメージです。
『リビセン』を町ごとに持ち、持続可能で必要な組織に各地域でカスタムできれば、ソフトとハードの両極面から、幾つかの地域課題を、楽しみながら解決していけるような気がしました。
『リビセン』を持ち帰ってもらう。
全国に『リビセン』を各々作ってもらうための、ノウハウや概念をシェアするサポート事業として、下諏訪町とリビセンで仕組み化し、研修場所や合宿地としてホシスメバや下諏訪を使ってもらう。
外の人を巻き込んで、一緒に下諏訪町をクラフトし、参加者にはノウハウや技術を持って帰ってもらう。その後も継続できる関わりしろさえデザインできれば、双方にとって魅力的な繋がりになるし、全国的にも下諏訪町という場所の魅力が広がっていく。
『関係人口をつくる』ための仕組みとしても、この町にあるもの、魅力を活かしたこのような取り組みは、非常に面白いと思いました。
レスキューの考え方や方法、仕組みを学ぶ
リノベーションスクールを筆頭に、リノベーションに特化した取り組みは今現在も幾つかあります。
ただ、もう少し広域で根本的な(リビセンでいう『ReBuild New Culture』を意図するような)概念共有や組織化していくノウハウを、ある程度の濃度を保ったうえでオープンソースにしていくことが大切だと思います。イベントや一案件で終わらせない、自立を前提としたようなシェアのカタチです。
下諏訪で『リビセン』を学んだ人たちが、各自の地域で『レスキュー』を始め、古材に再び価値を吹き込み、環境に目をむけ、各々が未来に継ぐアクションを主体的に起こせたのなら…それはリビセンが目指す未来にも、ぐっと近づくのではないでしょうか。そして、下諏訪町と日本各地が、今以上に繋がっていく気がします。
(あーワクワクする。妄想は自由だ。)
磁場を活かす
少し長くなりますが、もう少しお付き合い下さい。
建物や土地には命が宿っている。
スピリチュアルな話をしたいわけではなく、その地その場所に適したものが、根付き、残る…ということを、旅を通じて学ぶことが多かったです。
その土地に根付かせるための、場作りやコト作りを始める際は、土地の文化や歴史、習慣を遡るといい。各地の活動と触れ合ったなかで、そんな学びがありました。
倉敷 美観地区は元々バックパッカーの町だった
例えば、岡山倉敷にある『有鄰庵』。日本で一番予約が取れない宿として、国内外で爆発的な人気を誇ったゲストハウスだ。このゲストハウスを立ち上げた中村さんは、インタビューでこのような言葉を残している。
有鄰庵のある倉敷美観地区は、過去、世界を旅したバックパッカーたちが中心に創造して来た場所です。
日本に西洋のアート(ピカソやモディリアーニなど、当時はまだ無名な画家の絵)を持ち帰って、日本の文化度を高めたいと思った若者や、建築・医療・社会問題・雇用形態など世界最先端のアイディアを得て本質を掴む若者がいたり・・・。それは時代を超えて、倉敷のアイデンティティーとなりました。
「昔からあった文化や風土を、現代に沿わせて作り直しただけ。」そのようなことを聞きました。磁場に逆らわず、元来的な風土を生かした場作りをすることで、そこに紐づく様々なことが活きてくるのだと思います。
下諏訪の磁場やストーリーは
下諏訪でいえば、『下諏訪宿・諏訪大社・工業の町・移住者の町・職人の町』あたりがそれにあたるでしょうか。そして、元労災リハビリテーションという建物も、用途は変われど要素は残しても面白いのかもしれません。
かつてのストーリーを活かした場作り…しっくり来るそれらこそ、負荷の少ない自然な選択なのかもしれないですね。
おわりに
『ホシスメバ』のリノベーションツアーに参加し、みんなで作り、みんなで考える時間をすごした後、改めて自分自身の内側にあるものと向き合いたいと思い、このような記事に至りました。
ですので、今回の記事は、僕が勝手に妄想し提案しているに過ぎない内容で、実際の『ホシスメバ事業』とは異なるものです。
『ヨソモノバカモノワカモノ』
今日は勝手に一人ホシスメバ会議!
今回第二回のホシスメバリノベーションが終わるまでに、僕も何かしら「今の答え」を出す。
答えを出し続けることが大切。
明日違ってもいいから、問いを投げかけ答えを出す。https://t.co/wRSGDlG6QL#ホシスメバ #下諏訪 pic.twitter.com/P0zDar5D1S
— 佐藤翔平 12/11〜14 高知 (@temporubato_yh) 2017年12月8日
他の町に行くより、他のイベントに顔出すより、今は『今の答え』を出すことが最優先。
一つひとつを中途半端にしない。マルチタスク化して何にも終わらない状態にしない。
スケジュールを詰めすぎない。
手を広げすぎない。一つひとつを着実にやりきる。
シングルタスクを重ねる。— 佐藤翔平 12/11〜14 高知 (@temporubato_yh) 2017年12月8日
記事を書いていて、『みんなで作りみんなで考えること』に対し、個人的な妄想で答えを探ることってなんなんだろう?と思ったりもしました。しかし、自分なりに今の答えを今出すことをしないと、思考することを中途半端にしてしまうことが、どうも気持ちが悪かったのです。
自分なりの答えを各々持ち合わせて、また同じテーブルにそれらをのせて、あーだこーだと議論をしたいものです。それを繰り返し、『その時々によって変化する答えを問い続ける』ことこそ、創造に繋がるその一歩なのだと思います。
僕の今の答えは、
コとマチをクラフトする。現代のリハビリテーション施設『ホシスメバ』。
今後どのような『関わり』が持てるか分からないし、今回提案するこれとは、全く違うところで着地する可能性の方がおそらく高いでしょう。僕自身も明日なにを思っているか分からないし、もっと面白い妄想をしているかもしれません。
変化や違いを大前提として受け入れた上で、今後どんな施設になっていくのか…継続的な繋がりをもって関わっていけたらと思いました。
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下諏訪・ホシスメバ記事を経由せず、この記事からみた人は、完全な置いてきぼり状態でしたよね。。ごめんなさい。今回の記事に関する情報を幾つか貼り付けておきますので、是非目を通してみてください。
▼下諏訪町星が丘 ホシスメバ リノベーションツアー 参加レポート
▼下諏訪の魅力と関係案内所を知る【謎解き会議】に出席してきた。
『なぜ、下諏訪に人が集まるのか』という問いに対する、一つの答えが分かるイベント【謎解き会議】に出席した際のレポートです。下諏訪の町について知りたい方は、コチラも是非。
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