『消えて、生きる。』映画 アズミ・ハルコのセリフに共感した。

女1「どうしてこんなところにいるの?」

女2「死にに来た。」

女1「なんで死ぬのぉ。」

女2「全部ユキオのせい。」

女1「ユキオ?」「どうでもいいじゃん。」

女2「どうでもよくないの。」「このままだとね、アイナが可哀想なの。」「やられたら…やりかえさなきゃ。」

女1「そんなのバカな男がいう言葉だよ。」「女の子に必要なのはもっと別の言葉。」

女2「例えば?」

女1「うん…。」「…優雅な生活が最高の復讐である。」

女2「なにそれ。」

女1「スペインのことわざ。」

女2「アイナ日本人だから。」

女1「優雅な生活が最高の復讐である。」

女2「だからなんなのーそれ。」

女1「あなたが幸せな暮らしをすることが、ユキオにとって最高の復讐であるっていうこと。」

女2「でも死にたいっ。」

女1「なんでみんなすぐ死にたいとか言うかなぁ。」

女2「だってアイナが死んだら、ユキオ、アイナのこと愛してくれるでしょぉ?」

女1「忘れるだけだよ。」

女2「えええええっ…」

女1「消えちゃえば。」

女2「んっ?…」

女1「一度消えちゃうの。」

女2「だからそれは死ぬってことでしょ?」

女1「消えて、生きる。」「あたしは生きてる。」

女2「んっ?…」

女1「行方不明になった女の子たちは、へらへら笑いながら、どこかで元気に生きてる。」「…そう思わない?」

女2「…」

女1「だってそうでなきゃ…割に合わないでしょ。」

女2「…」

映画 アズミ・ハルコは行方不明

▼アズミ・ハルコは行方不明

蒼井優主演の『アズミ・ハルコは行方不明』という映画で、非常に共感したワンシーン。最後に少しだけ自分の言葉を付け加えておきたいと思う。

死にたいなら消えちゃえば?

最近こそ「逃げていい。」という言葉が言われるようになったけど、【 逃げる=引きこもる 】だけ になってしまうと、引きこもることから逃げたくなって…逃げ方が分からなくなって…そして死を考えてしまい…そんなループからは逃げられない。

行方不明になる→旅に出る

この映画の「行方不明になる」ことって、あてのない旅に出ることに似ているのかなと思った。

僕自身うつ病を経験してから旅にでた人間なので、少しこの感覚も共感する部分。(僕の場合は行方不明にはならず、常にSNSで現状をシェアしながら旅していたけど)

人格やキャラクターって、その環境や関係性による役割(のようなもの)によって形成されてしまう場合が多くて、自分が自分だと思っていた自分も、もしかしたらその場所による制約を受けて出来上がった人格なのかもしれない。

求められている役割を演じてしまう…それは自分の生きやすさを確保するために始めることでもあるんだけど、それを続ければ続けるだけ本来の自分と乖離していき、何がなんだか分からなくなってきてしまう。私は誰?何のために生きてるの?って…。

環境や関係性によって縛られていた鎖をはずしてあげることで、今までとは違う人生が送れるようになることも多い。今まで出逢った人たちを通じて感じることでもある。

旅は別人格になれる

自分のことを知っている人がいない、知り合いのいない町で新たな生活を始めることって、自分の人生を一度リセットするような感覚に近づける一つの手段だと思う。

僕自身の話をするなら、うつ病になったときに今までの人格を一度捨てた感覚がある。「生まれ変わったら何をしますか?」の問いを生きることを、旅を通じて実践してきた。

人格は消えても傷は消えない

しかし実際のところ、傷ついて旅に出たとしても、旅によってその傷が消えることは無いだろう。どこにいても、何を選んでも、自分自身で向き合うタイミングで向き合う必要があるし、許すべきタイミングで許す必要がある。

ただ、知見を広げることで、関係を断ち切ることで、環境を変えることで、そのタイミングを迎え入れやすくなる瞬間は作れるのだと思う。

幸福でエネルギーを満たすことや、違う現実を新たに構築すること、新たなヒトコトモノとの出会いは、確実にそれまでの人生を変えていくものだ。

消えて、生きる。

どんなかたちであっても、生きていることは素晴らしい。生きていることは可能性だからだ。その可能性がある限り、ひとは幸せになる権利がある。どうしても苦しくて仕方なかったら、『消えて、生きる』という選択を思い出して欲しい。

可能性という ともし火だけは、自ら消さないであげて欲しいな。

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サトウ

置かれた場所…なんて気にせず、自分らしくいれる場所を探せればいいと思う。

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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