こんにちは。
ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。
2016年3月から1年間限定で行った『移動式ゲストハウス House Caravan』。
あの活動は一体何だったのか。あまりに振り返らずに突き進んでしまったので、2018年は当時の活動を少しずつ振り返りながら『解剖』していければと思っています。
今回の表題は『よそさまの家を渡り歩く旅は、関係性と信用の連続によって成り立つ』。
関係人口をつくる
『関係人口』という言葉に注目が集まり始めています。
関係人口をつくるー定住でも交流でもないローカルイノベーション 新品価格 |
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のことを指します。
地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。
僕らハウスキャラバンが意図してきたことの一つが、正にこの関係人口を増やす…というアクションでした。
活動考案期・実践期ともに『関係人口』という言葉を知らなかったので、僕らは『日本をつなげる、旅にでよう。』というキャッチフレーズで活動を進めていました。
この関係人口の概念も正にそうなのですが、「この地に住まないのなら関わってくれるな」という従来型の思考に冒されていない地域団体に限り、僕らは関わらせて頂くことにしていました。
ヨソモノを活かす
移動を繰り返す旅人(ヨソモノ)が一定期間一つの地域に住みつき、その土地で何かを興そうとしている人たちと余剰部分のコウカンをしながら創造を目指していく。
新潟 栃尾
得体の知れないヨソモノ(旅人)に抵抗感を感じる多くの人や町にとって、このような企画は非常にハラハラする、場合によっては恐怖心すら感じるものだと思います。(東京では隣人が誰だかも知らないのに)
ヨソモノというだけでそうなるのに、旅人となると更にハードルが高くなる。この人たちは一体何者なんだ?大丈夫か?
活動を振り返ると、信用を可視化することやストーリーを伝えることを通じて、存在を認識し直してもらうことがとても重要になりました。
余剰部分のコウカン
新たに掲げている『日本微住計画』でも書いていますが、地に根を張る活動をしている人たちと、渡り鳥のように旅をする人たちの持っている個性や役割は異なります。
飛騨高山 新穂高
僕らは双方のリソースを最大限に活かしあえる関係性を目指しました。体験を通じてざっくりとまとめるとこんな感じです。
町の人が提供
『食べ物・空間・未体験・コンテンツ・繋がり・日常』
旅の人が提供
『マンパワー・スキル・拡散力・発想・情報・繋がり・非日常』
これらお互いに提供しあえるものをコウカンして、共有できる束の間の時間を充実させよう。
とはいっても、いきなりヨソモノを受け入れるのも容易いことではないだろう。…
ヨソモノを受け入れる三要素
ヨソモノを受け入れて一緒に何かを始めていく…これは(特に日本という国の地方においては)容易いことではないと思います。
でも僕らはそれを一年で【約ひと月×12箇所】連続して実現することを達成しました。時代が少しずつ動いている予感を感じる体験でもありました。
(本当にありがたかった。)
その体験を通じて、ヨソモノと町が関わる際に必要だと感じた三要素は『人伝』『信用』『共感』。
人伝 ひとづて
熱海MARUYA
ハウスキャラバンの活動は、リアルSNSのような関係性の連鎖によって助けられました。
スタートの段階で、12ヶ月のうちの9ヶ月分ほどは関わる先と時期を事前に決めてスタートできたのですが、これは僕の自転車旅時代の関係性や共同のシミズマイの繋がりによるもの。
また、その土地で暮らすコーディネーターのような『フック』になる人がたった一人いるだけで、その町と関わりをもてるスピードや範囲は大きく変わることを改めて経験しました。
(そのコーディネーターこそ『関係案内所』にいる案内人のような人でした。)
(かつてのヒッピーたちも、おそらくこの『人伝』(口コミによる繋がり)を一つの方位磁針にしていたのだと思います。)
信用 しんよう
島根 柿木村
人伝と信用は、セットに近い要素。
『誰の紹介でこの町に来たか。誰と紐づいている人間か。』
これが可視化され認識されるだけで、(可視化されていない状態よりもはるかに)信用してもらうための要素の一つとして十分でした。
知らない人しかいない町に一人で入っていく…
僕の自転車旅がまさしくその連続だったのですが、その町で仲良くなったカフェの店主さんや道端の一人がきっかけで、その後その町に溶け込んでいくことがほとんどでした。
数珠つなぎのようにおこる『信用の連鎖』は、『人伝』による関係性に他ならなかったのです。
共感 きょうかん
長岡 ねまる
そして信用に繋がる一つが、想いの共有による共感でした。
これは旅をする僕らにも、そして地域で活動する方々にも、双方向にとって言えることかもしれません。
『何を考えているのか、何を思っているのか。そのストーリーに自分も参加したいかどうか。』
これは『魔法をかける編集』第一章における「ビジョン」にも通ずる話ではないかと思います。
いきなりヨソモノが来て町と関わりたいと言っても、その想いに『共感』したり、それを『信用』したり、その信用による『人伝』の拡がりがなければ、実現は容易くありません。
コミュニケーションでその間を埋めていく…当然のことですが、最も大切なことだと思います。
可視化していく
ただこれらの要素は、SNSやウェブのチカラを借りてぐぐっと近づけることが出来る時代なのだという実感もありました。
SNS のみ に頼るものでは当然ないし、それを信用しきるのも違います。
それは大前提なのですが、誰と繋がっていて何をみてきたか、その人の『ひととなり』、ビジョンや過去の活動風景も、(漠然と)可視化され知ることが出来るツール。
このウェブの役割は馬鹿に出来ないなと思いました。
この時代だからこそ可視化できる様々なソースを活かして、お互いに晒しあうことで信頼信用を築きながら、ハウスキャラバンでは関係を構築していきました。
ヨソモノと町が関わる際に必要だと感じた三要素は『人伝』『信用』『共感』。
そして、それらを『可視化』し『認識』しあうことが重要である。
おわりに
今回この記事を書くきっかけの一つになったのが、A1さん(@A1riron)のこの記事です。
人の家を渡り歩く #ハウスキャラバン は関係性があって のみ 成り立つ。
自分のブログの『関係人口』=「自分が住める家の数」になる時代!! – A1理論はミニマリスト https://t.co/x6gkyiHBv8
— 佐藤翔平 / 移動する生き方 (@temporubato_yh) 2018年1月4日
A1さんへの信用や彼のキャラクター、そして受け入れる人たちの懐の深さや温かさがこのような機会を与えていくのだと思います。
僕らは 旅に様々な要素を持たせながら『住み開き』ならぬ『旅開き』をしながらハウスキャラバンを運営していましたが、『よそさまの家』を転々と旅しながら関わりを大切に育んでいく、 ハウスキャラバン ともとれる旅のスタイルは、今後もジワジワ拡がっていくように思います。
ハウスキャラバンでの多くの知見を『解剖』しながら共有し、そして、様々なアクションや思考と紐付けていきたいです。
ハウスキャラバンとは
活動期間:【 2016.03~2017.02 】
ハウスキャラバン(別名:移動式ゲストハウス House Caravan)とは、SNSの発信を通じて参加者を募り、旅の日常をシェアしながら、6人乗りのキャラバンカーで日本全国を巡業するソーシャルアクションです。
▼ハウスキャラバンの取り組みや情報はページ詳細へ
https://satoshohei.com/housecaravan/
『謙虚さ』大切にしたいですね。
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