こんにちは。
旅先で本を広げる乙な手元を、スマホで撮影しながら旅をしてきた ホン・ヨメヲ (@tempurubato_yh) です。
2014年の自転車旅時代から提唱してきた『地産地読』というスタイル。
ふとググってみると、同じような文言で取り組みをしている町に辿りついた。シンパシーを感じ少し調べてみると、実に面白い取り組みであることが分かった。
今回は、自身が取り入れていた『地産地読』の話と共に、兵庫県の城崎温泉が提唱する地産地読の話を、勝手に紹介していこうと思う。
地産地読
2015.09 斜陽館
太宰治の出生地『青森県金木町』にある、太宰治の記念館『斜陽館』で、太宰治の小説『津軽』を読んでウホつく我。
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2015.03 高半旅館
川端康成が『雪国』という小説を書いた『高半旅館』という越後湯沢にある温泉宿。そこで最高の温泉を味わったあとに、彼が執筆していたとされる『かすみの間』という客室で読む雪国。もうウホウホがとまらない我。
僕が取り入れていた『地産地読』は、現地のストーリーを現地購入し、現地で味わいウホつくというもの。作家所縁の場所、ストーリーに出てくるスポット、そこで登場する食べ物などを堪能しながら没入する文学の味わい…最高なのである。
青森 津軽での地産地読
2015.09 斜陽館
先ほど紹介した、太宰治と津軽の話をもう少ししよう。
青森県五所川原市の金木町は、太宰治が出生した町として知られている。彼のトレードマークでもあったマントを羽織ったり、斜陽館という施設を通じて滑稽な観光を楽しみつつも、『津軽』という本を現地購入し、その町を更に味わい尽くすことをした。
今回も、存分に楽しませてもらいますね♩
新潟、塩澤 北越雪譜 鈴木牧之
湯沢 雪国 川端康成に続き
金木 津軽 太宰治をしっぽり旅に加えます。
旅本 地本 読旅…
土地と共に読書を楽しむ提案をしていきたい♩
金木町は自分の親族の繋がりで立ち寄れる場所があったので、一週間ほどホームステイさせて頂きながら、色んな場所に足を運んだ。
風と鈴虫の音の中、
静まり返った家で太宰治の津軽を読む。
旅は、動くこと ではなく
立ち止まること が 出来る選択。
立ち止まって こそ の 旅だ。
水割りの焼酎を切子のグラスで ちびちびやりながら、ひとり静かな夜を過ごしている。
『その土地を描いた作品を、その土地で買い、その土地で読む。』
どちらかというと文学に疎い僕ですが、こういった旅の出逢いや現地での体験からであれば、面白がって味わうことが出来る。
本で登場しているストーリーをリアルタイムで味わえる、『思考の旅』と『現実の旅』を行ったり来たりするのがとても心地よい。
このように、地産地消で楽しむ読書を『地産地読』と名づけ、様々な場を通じて紹介してました。
兵庫 城崎温泉
『地産地読』というキーワードを通じて知った、城崎温泉の取り組み。調べを進めると、僕が推奨している『地産地読』より、はるかに素晴らしくて面白い活動であることが分かった。
▼日本経済新聞:城崎限定本 めざせ「地産地読」 温泉文学で町沸かす(ひと最前線)
志賀直哉の「城の崎にて」をはじめ、多くの文人が足跡を残してきた城崎温泉(兵庫県豊岡市)。今、旅館の若旦那衆がスクラムを組んで文芸書を出版し、「文学の町」再興に挑んでいる。
関西ゆかりのベストセラー作家に城崎を舞台にした新作を書き下ろしてもらい、温泉街だけで販売する。目指すのは「地産地読」だ。
本と温泉
「本と温泉」は、2013年の志賀直哉来湯100年を機に、次なる100年の温泉地文学を送り出すべく、城崎温泉旅館経営研究会が立ち上げた出版レーベルです。
城崎温泉は、外湯めぐりとあたたかなもてなし、そして松葉蟹や但馬牛などの食文化で多くの文人たちに安らぎと刺激を与えてきました。
志賀直哉を始め、さまざまな小説家や詩人、歌人、芸術家が訪れた文芸の温泉地として、これからの100年読まれ続ける新しい本づくりをしていきます。
温泉総選挙2017
この活動を仕掛けている『NPO 本と温泉』の提案が、とてもオシャレで面白い。
文豪たちが作家活動をする場の一つとして、昔は温泉地や旅館を定宿とすることが多かった。地域の歴史・文化として紐づいているものを、今の時代に沿わせてアップデートするこのような取り組みは、その地に根付きやすく、イメージも紐づきやすい。よって、このような先進的で新しい取り組みであっても、無理がないような印象を受ける。
出版と温泉
これまでに、発売した本はすべて城崎温泉だけの地域限定販売です。ぜひ四季折々の城崎温泉街の風情を愉しみながら、愉快で驚きに溢れた本をお楽しみください。
これまでの出版書籍は、3冊。すべて城崎温泉だけの限定発売。城崎文芸館、外湯・お土産店・飲食店等で販売。
著者 志賀 直哉 『注釈 城の崎にて』
著者 万城目 学 『城崎裁判』
著者 湊 かなえ 『城崎へかえる』温泉総選挙2017
そこにいかなければ手に入らない本。
日本各地にある 『ローカル リトルプレス』の存在や、『お土産としての本』という需要を可視化させたキングコング西野さんの動きも、この活動にとって追い風になるのではないだろうか。
風情のようなものもどこか感じるし、『温泉×出版』の関係性はとても面白い。
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身体も洗える本?
温泉総選挙2017
先に紹介した3冊の本。bach-incというページで書かれていた情報を読み進めると、実に面白い装丁であることが発覚した。このこだわりはもう、手に取らずにはいられない。
だからこそ、この本は防水になっている。そう、温泉街ですもの。城崎は浴衣を着てそぞろ歩きをしながら湯巡りをするのが有名な町だから、外湯に浸かりながら読んでもらおうというわけなのだ。
アートディレクターの長嶋りかこが手掛けた驚きの装丁は、表紙がタオル地、というかタオルでできている。そして、本文用紙は水をはじくストーンペーパーを使用。
かつて見たこともないような1冊が誕生した。風呂場で読んで、体も洗える本なんて聞いたことがない。
防水というところまではギリギリ想像できる範囲だが、表紙がタオル地という変化球はもう『空振り三振』降参だ。
ユニークかつ素敵な取り組み。
オウエンする以外の手段が思いつかない。
紹介記事
城崎温泉の取り組みをとりあげている記事をとして、是非とも読んでいただきたい素晴らしいコラムは、先にも触れたbach-incだ。
この城崎温泉という温泉街のバックグラウンドや、今までの先進的な取り組みの数々がわかり易く書かれている。
『城崎温泉 御菓子司みなとや』という地元のお土産やさんが書かれている記事も面白い。あまり知られていない取り組みがまだまだあるんですね。
本と仏生山温泉
本と温泉に関わる話でいうと、先日紹介した仏生山温泉の取り組みも、本と温泉を掛け合わせたものだった。
これは『本をドネーションする代わりに温泉に入れる』という仕掛け。以前より温泉施設で本を販売する『50m書店』という取り組みなどもされており、『本と温泉』の関係性が今までにない新しい実験を生んだ。
▼お金の代わりに本でもいいの? 香川 仏生山温泉の新しい試み。
まだ読んでいない方は是非。
おわりに
ふとしたきっかけで、『地産地消』をもじって投稿していた『地産地読』という昔のハッシュタグを振り返った。
自転車旅時代の投稿を呼び起こす呪文『地産地読』を唱えると、僕の全く知らない取り組みが数多く出てきた。
その取り組みを更にワード検索していくことで見えてきた、城崎温泉の面白い取り組み。
数時間という『ショートトリップ』のなかで、また新しい知見とアイデアを頂くことが出来た。
そこにいながら、随分遠くまで来た感覚が残る。
『このブログを終わらせる』という帰路につき、旅を終えた僕はまた現実世界へ戻っていく。
地産地読でウホウホしよう♪
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感想などを頂ける際は、だいたい張りついておりますので、SNSを通じてやりとりしたいです。
Twitterでシェアして下さる際は、メンションをバンバン飛ばして絡んでください。笑
Facebookページ始めたばかりなので、
是非一緒に育ての親になってください!!
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