こんにちは。
ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。
今日は『躁病』という精神疾患についての概念共有を通じ、ポジティブは 必ずしも いいことなのか…ということについて、少し思考を掘り下げていきたいと思います。
ネガティブ思考とうつ病
ここ10年くらいでしょうか、『うつ病』という病気が一般的に認知されるようになりました。
世界保健機関(WHO)2017年の発表では、うつ病の人は世界で推計3億2,200万人に上るとされていて、日本では約506万人(人口比約4%)が該当するそうです。
参照:
うつ病は、ネガティブ思考に陥ることが多く、またネガティブ思考な人がなりやすいとも言われているため、いつからか、ネガティブ思考はさも悪いことのように語られるようになりました。
ネガティブとポジティブ
うつ病は、死(自殺)に繋がることもありうる問題視すべき病です。ネガティブになって、マイナス思考になって…。
一方で、ポジティブになって、プラス思考になって…ということにおいては、悪いこととしてフォーカスされることはほとんどありません。
ポジティブは必ずしも良いことなのでしょうか?
そんな疑問が僕に湧いてきたのが、今回『躁病』に行き当たった経緯です。
ポジティブ思考と躁病
躁病という言葉を検索すると、たいていは『双極性障害(躁うつ病)』として情報が出てきます。
ウィキぺディアの情報で恐縮ですが、『躁病』の説明書きが出てきたので紹介したいと思います。
躁病(そうびょう、mania:マニア)とは、精神疾患の気分障害の一つ。気分が異常に高揚し、支離滅裂な言動を発したりする状態になる。ただし躁状態は他の疾患でもみられるため、躁状態だけで躁病や躁うつ病と断定することはできない。
患者自身は病気として治療する必要を感じていないことがほとんどであるが、躁病の症状は人間関係を著しく損ねる可能性があるため、その社会的予後はうつ病よりも悪いとされる。
『躁病』は、双極性障害(躁うつ病)とは別の単体の病気であり、患者自身が病気として治療する必要を感じていないことがほとんどであるが…とあります。
また、具体的な症状の現れ方として、ついでこのように書かれていました。
感情障害
気分の異常な高揚、自己の過大評価、他者への干渉思考障害
観念奔逸(かんねんほんいつ:考えが次から次へと浮かび、話題の方向性が変わる)、錯乱、妄想(誇大妄想、血統妄想、発明妄想、宗教妄想など)欲動障害
多動・多弁、行為心迫(何か行動しなければと急いている状態)→行為未完成、作業心迫(何か作業しなければと急いている状態)→作業未完成
気分障害・思考障害・欲動障害…基本的には、うつ病と同じような要素に対しての障害が出るようです。
「こういう人よくいるよね。」
うつ病のそれのように、躁病についてもこのような感想を持つ人もいるかと思います。
頻度であったり強い偏りであったり、それが日常に障害をもたらすレベルなのかや当人の捉え方によっても、ジャッジは異なるのだと思いますが、病気として存在しているということを、ここでは共有しておきます。
ポジティブが良いわけでもない
鬱=ネガティブ、躁=ポジティブという図式を単純に当てはめてしまうことには議論があると思いますが、ポジティブシンキングも行き過ぎると怖い状態だと僕は考えています。
今を正確に受け止められない人、自分の失敗や反省を上手く考えられない人、それらにそもそも気がつかない人…過去現在未来を改ざんするような都合のいい考え方の人が増えて、夢ばかり見て本質のない人間がどんどん増えたら日本はどうなるんだろう?
今の時代に生まれ育った僕達は、『ポジティブは良くてネガティブは悪い』のような思考に多くの人が侵されていないでしょうか。
視野を狭めすぎないためにも、少し立ち止まる必要があるのではないかと思うようになりました。
“中道” という考え方。
最近、この中道という考え方を取り入れる機会が増えました。どちらも受け入れ、どちらも必要だと思う考え方。または、その枠にとらわれない…という思想です。
古くから仏教では、ポジティブすぎることや欲しがりすぎること、また得すぎることに対しても、良しとしない思想を持っています。
たとえそれが『幸せすぎる』ということに対しても、幸せすぎてはならない…とする教えがあるほどなのです。
「幸せな瞬間は多い方がいい。」
「お金はたくさんあったほうがいいし、たくさんの人にこのブログも読んで欲しい!!」
そう思ってしまう部分も当然あるわけですが、あまり舞い上がり過ぎないよう『ほどほど感』を大切にしたいと思うようになりました。
『得ること』は『いつか失うを始めること』で、それは命を授かったその瞬間から始まっています。
人生のなかで幾度もそれを繰り返して生きるのが僕ら人間だと思いますが、その執着が行き過ぎると手放せない苦しみも一層強くなります。
苦しむことさえも生きている実感ではあるのですが、気を病んでしまったりおかしくなってしまっては、もはや自分自身からもかけ離れてしまいます。
おわりに
『ポジティブは必ずしも良いことじゃないし、ネガティブは必ずしも悪いことじゃない。いや、そもそも良い悪いで考える事柄じゃない。そこから離脱する。』
あらゆる物事に振り回されすぎず、その真ん中にあるような中立的な立場に身をおこう…なるべく振り幅を小さくしていこう…というこのような思考に持っておくことも、これからのサバイバル社会には必要な考え方なのかもしれません。
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