こんにちは。
ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。
今回の記事は、今までと少し趣向を変えて、『教えて詳しい人!! 地方創生に大学は必要ですか?』というタイトルをつけ、色んな人の意見を聞いてみたいと思いました。
このブログ内にコメント欄を設けてないので、Twitterでメンションしてもらうか、Facebook pageにてコメントを頂けたら嬉しいです。面白いコメントややりとりがあれば、後日ブログ内で引用させてください。
『そもそも地方創生って言葉が気にいらない』とか、『町おこしなの?人口増加なの?』みたいな議論もあるかとは思うのですが、今回はここに書いてある【地方創生】という言葉で統一できたらと思います。
地方創生(ちほうそうせい)とは、第2次安倍政権で掲げられた、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である。
地方創生に大学って必要?
僕は2014年から日本各地を旅していて、その土地土地で地方創生に関わる動きをしている人たちを目の当たりにし、またお手伝いをしながらそこにしばらく住まわせてもらう活動をしてきました。
そんな日々の蓄積で思うのは、大学在学中の関わりや大学の有り無しということより、卒業後の『若者の関わりしろ』のほうが重要なのかな?ということでした。
大学があるから町に来た若者。
大学が町にあることで、一時的な人口は毎年担保され続けます。
ただ重要なのは、在学中の期間を通じて、どれだけ町に心地良さや愛着、未来の自己実現を感じられたか→定着するかだと考えていて、それがなければ一時的な『辞令による転勤』みたいなもので、社会増→社会減 *1 の変動しかないわけですよね。
その数値だけをみて増えた減ったの判断をしても、人口減少と共に尻すぼみになっていくし、根付く数字ではないので比較しても仕方ないと思うのです。
*1 社会増とは
ある地域の人口が、他地域からの転入、あるいは他地域への転出によって生じる増減をそれぞれ社会増、社会減という。
今回取り上げた3要素
僕は、町に対して何かしら関われる余白、または居場所のようなものを実感してもらうこと、『この町に住む理由』を感じて定着してもらうことこそが重要だと思っています。
大学生(または卒業後の若者)を活かせる町にしなければ、大学の有無はあまり意味のない議論なのかなと思うのです。
学生と関わりしろが共有できているか
大学があるかないかより、大学と町、学生と町とで、どのような関わりしろを共有してるか…の部分こそが重要だと思っています。
(卒業後も含めて)学生を活かせる町になっているか、学生が加わりやすい町になっているか。
大学生はいないけど、高校生との繋がりが密であったり、それが中学生または専門学生だったり、そんな町も幾つか目の当たりにしました。
大学があるから善い…大学が必要…という要素だけで語るのは、少し弱いのかなーと思いました。
▼富山県の『14歳の挑戦』の取り組みなんかが、この問題を考える事例として面白いです。
高校がない町、大学がない町、就職先がない町
高校のない町は中学卒業と共に流出が始まるし、大学のない町は高校卒業と共に、就職先がない町は大学卒業と共に流出していきます。
タイミングがズレるだけで、大学があっても無くても、一般的には流出していく流れはあるのかなーと思います。
また一方で、先ほどから繰り返しているように、進路や就職先だけがフックになるわけではないんだなーとも感じています。
俗にいうUターンみたいなものもそうですが、重要なのは『この町に住む理由』の付加価値を高めていけるかどうかではないでしょうか。…
▼若者の流出に関して書かれている記事。『戻ってきたくなる故郷』…この考え方には共感します!!
例えば、シビックプライド*2 のような意識形成であったり、コミュニティとして居心地のよい場であり続けることを目指す取り組み、町の未来やビジョンも含め、町のストーリーに加わりたいかどうか、自己成長が望める町かどうか…のような、色んな要素の組み合わせやその比較なのかなと思います。
(それか、もっと手前にある、自分の性に合った仕事または暮らしが出来るかどうか…程度の判断かもしれません。)
*2 シビックプライドとは
日本語の「郷土愛」とは少し違うニュアンスを持つこの考え方は、自分自身が都市を構成する一員であると自覚し、都市をより良い場所にするための取り組みに関わろうとする当事者意識を伴います。 都市の一員として、都市づくり、街づくりにつながっていく。 …シビックプライドという言葉は、都市に対する誇りや愛着といった意味を持っています。
大学がなくても大学生と関わる町も多い
また、建築系の学部や美大生、大学のサークルなどが、地方の町と関わるケースもあり、都内の学生が何故こんなところに?と、大学のない町で若者と出くわすことも今まで少なくなかったです。
ここでも同じような話になりますが、『関わりしろ』の共有であったり、『関係性』がどれだけ構築出来ているかの部分かなーと思うのです。
関係性が深まっていけば、自ずと食と住の部分も補完されていくので、『この町に住む理由』も相対的に増えていくのではないでしょうか。
▼地方創生インターンシップなんていう取り組みもあるんですね。
教えて詳しい人!!
大学には、お金やマンパワーやアイデア、色んなものごとをスムーズにするパワーがあります。
高校を卒業した学生が、就職をするまでの期間を過ごす場所を担えるということは、そうでない場所と比較すれば確かにアドバンテージだと思います。
僕の地元、横浜の金沢八景にも2つの大学があり、このポテンシャルを活かせないのは残念過ぎると常々感じています。
卒業後に、そこに居続ける動機や目的はまた別に形成する必要があって、それが就職先であったりシビックプライドであったり、町の人たちとの関係性や居心地なのかなーと、僕は考えています。
大学の有無より、『この町に住む理由』を増やすことや強めることの方が、重要なのではないでしょうか。
これは自分が見聞きした範囲での印象、意見でしかないので、「実際大学があることでこういったメリットがあるよー」「こういう数字があるらしいよー」みたいな知見があれば、色々と教えて欲しいです。
▼因みに、さいきん愛知で古民家宿泊施設「タカハウス」をはじめたタカヒロ君(@viatortaka)は、大学あったほうが良いと、以前この記事で書いていました。
色々形成要素はあると思うのですが、今現在滞在している高知県では高知大学地域協働学部があることもあり、学生のパワーをダイレクトに感じる体験も日々しています。
若者を活かせる仕組み、共に未来を考えていく関係性を上手く形成しながら、卒業後も、何かしらの関わりを継続していける街を目指したい…と、高知へ着たばかりのヨソモノは思います。
関係人口という言葉にもあるとおり、街との関わり方は確かに多様になってきていると思うので、その関わりを切断しない関係性を育みたいです。
関係人口とは、言葉のとおり「地域に関わってくれる人口」のこと。自分でお気に入りの地域に週末ごとに通ってくれたり、頻繁に通わなくても何らかの形でその地域を応援してくれるような人たち。
『関係人口』に関する記事を、以下のページで蓄積し始めました。
平成30年度、総務省では「関係人口創出事業」に対し2.5億円の予算を既に計上しており、今後一層注目される言葉になっていくと予想しています。
▼詳しい情報や関連記事の深堀りはこちらから
https://satoshohei.com/kankeijinkou-matome/
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