【岐阜×和歌山】捨てられる みかんの木をレスキュー。地域をまたいだ 繋がるものづくり

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

クリスマスの翌日、岐阜県飛騨市の家具職人の 「飛騨職人生活」から小包が届いた。

実はこの木工品の数々、和歌山で伐採したみかんの木を、飛騨の木工職人のところに持ち込み、『試作品』として作ってもらったものなのです。

今日は『地域をまたいだ廃材の利活用を考えている件』について、現状をシェアできたらと思う。(いや、色んな意見やアドバイスが欲しいのです。よろしくお願いします。)

廃材を活かしたい!!

昨年、和歌山県 下津町の蜜柑援農の取り組みに参加させて頂いた。今からちょうど一年ほど前のことだ。

▼【和歌山】下津町 蜜柑援農プロジェクト / FROM FARM – 日本微住計画

僕が和歌山のみかん農家さんの手伝いで最初にした作業、それはみかんの収穫ではなく、みかんの木を伐採することであった。しかも2日で100本を越えるみかんの木を、チェーンソーで細かく切り刻んでいった。(一人で)

▼Facebook:2016年11月16日「100本のみかんの木を伐採」

みかんの収穫手伝いに行ったはずが、いきなりチェーンソーでたくさんのみかんの木を切り刻むことになるとは…当然思ってもみなかった。(パンクだなぁと思った。)

話を聞くと、果樹は意外と繊細で、病気になってしまったり実がつかなくなるものも多く、毎年一定数の木を伐採し植え替えするそうだ。接ぎ木をしたり苗から植えなおしたり、それらの作業も当然農家の仕事の一つであった。

小豆島 オリーブの木

時計の針をさらに少し戻し…2016年10月、和歌山県での援農をする前、僕は『移動式ゲストハウス House Caravan』の活動で小豆島に滞在していた。

▼Facebook:2016年10月25日

和歌山のみかんと同じように、小豆島ではオリーブの木が毎年伐採されているようだったが、切りっぱなりの木材を1,000円前後の値段をつけて販売しているのをみかけた。

他にも、オリーブの木を加工してコースターやカッティングボードとして売り出していたり、観光の島だけあり、伐採した木材も上手く利用されている風景がそこにあった。

和歌山 みかんの木

再び和歌山の話に戻ると、古くは薪の時代があり、伐採したみかんの木は燃料として(葉っぱごと)地域内で使われていたそうだ。しかし今では、薪をくべる家庭もほとんどないため、そのまま燃やして破棄してしまう…という話だった。

僕はみかんの木とこうやって向き合うのは初めてだったし、ヨソモノとしてこの伐採したみかんの木にも価値があるんじゃないかと思い、このようなFacebookでの投稿と共に、援農者にもアイデアを募った。

▼Facebook:2016年11月15日 

今日伐採したみかんの木。近々全て燃やしてしまうらしいです。

僕は個人的に【和歌山県下津町のみかんの木】って魅力を感じるし、ゴミになるくらいなら上手く活用したい!!わずかしか持って帰れないけど、何か木工品として生まれ変わらせたい!!

反応が良ければ、町の新たな資源として提案していきたい。加工だなんだのクラウドファンドをする前に、何に生まれ変わらせると魅力的かをみんなに相談したい!!

活用方法が見出せなければ、保存しておくこともコストなのでリリースします。一緒に面白い創造を考えて欲しいです!!

Facebookより

「カトラリーにしてみかんオイルを塗り込んだらいいかも。」「みかんの木ってなんかいい印象。」「スモークチップにしたらどうかな。」

と 色んなアイデアが出た。また、みかんの木の特性について調べていくと、こんな情報なんかも出てきた。

ミカンの木(柑橘類)は、木材としてまず出回る種類の木ではありませんが、街では以外と見かけることの多い木です。

極めて成長が遅く、桃栗三年柿八年と言いますが、柿の実がなるのが早いと思えるくらい生育には長い年月を要します。

【材質】
・散孔材。辺心材の境界は不明瞭。
・木材としては極めて緻密で弾力に富む。
・強度と靱性に優れ、割れにくい。
・玄翁など大工道具の柄や槌の材料にも最適。

木肌は滑らかで白っぽいが、
ミカンの汁が染み出したように黄色味を帯びる。

街の木を活かすものづくりの会

具体的な活用法は直ぐに決められなかったが、燃やしてしまうなら譲って欲しい…と祈願し、大量に伐採した一部をもらって帰ることにした。

旅するみかんの木プロジェクト

移動式Labo ものづくりキャラバンの活動として、このみかんの木材をキャラバンカーに乗せ、行く先々の旅で出逢った各地の作家さんにアイデアを頂きながらコラボレーションをし、『未完/蜜柑の木』を面白がろう…という企画を立てることにした。

 ▼Facebook:2016年12月14日

構想をしてみるものの、プレイヤーになれる人が僕以外にいない。。そして年明け早々に車を返却する必要が出てしまい、企画が頓挫してしまった。

また、みかんの木は水分を多く含む材でもあるので、木材として使うには水分を抜いてからでないと加工すらもできない状態。そんなこんなで、半年以上実家で放置することになった みかんの木。

みかんの木は実家にあるが、僕の身体は日本各地へ移動し続けていたので、なかなか具体的に計画をしたり動くこともできず夏を迎えた…

岐阜への再訪

みかんの木を実家に残し半年以上が経過していた2017年夏、岐阜の白川郷で開催されたイベント『面白生きるヒトの合宿』 に教授として呼んでいただき、木工職人の町 飛騨へ寄り道できる機会がやってきた。

▼面白く生きるヒトの合宿 – TURNS

白川郷へ向かうタイミングで、北海道旭川から実家の横浜へ一時期帰省し、バックパックの中に数本のみかんの木を忍ばせ、愛知県新城市を数日経由し白川郷へ。白川郷へ着く前日に飛騨高山へ宿泊、飛騨古川へも足を運ぶことにした。

飛騨職人生活 堅田さん

時系列がメタメタになってしまい申し訳ないが、2016年の8月『移動式ゲストハウス House Caravan』の活動で岐阜に滞在していた際にお世話になった一人が、今回みかんの木で試作品を作ってくれた 飛騨職人生活の堅田恒季さん。

▼Facebook:2016年8月9日

(佐藤がカブトムシやクワガタを作っていた日々の話は後日。笑)

堅田さんは、元々大手の家具製造会社に勤務していたが、工房&カフェを開くために脱サラ、2014年から飛騨古川で独立・開業をしている大阪出身の木工職人さん。(僕の印象は、まともな変人です。)

▼木工職人を目指して飛騨へ ~堅田さん~ – 飛騨に暮らす

前の会社では、仕事以外に、仲間とキャンピングカーでフェスやイベントの際にカフェの移動販売などしていたんですが、ある時から副業禁止になって、つまんないなと(笑)。だったら自分で独立して楽しいことをやろうと思いました。

飛騨に暮らす

ハウスキャラバンで飛騨高山に滞在していた際も、愛知の友人にサプライズでもらったハウスキャラバンのスタンプ(レーザーカッターで作ってくれた印面)に、ちょうど合うような柄をハンドメイドで作って下さり、地域をまたいだ最高級スタンプが出来あがった。

『遊びゴコロのある職人さん』

堅田さんは面白いことに対して素直で、遊びゴコロを感じる柔軟な職人さんだなーという印象を持っていた。この人に相談したら、何か面白い展開になるかもしれない…そんな他力本願な思いとみかんの木を手に、工房を再訪した。

相変わらずステキな空間で、リキんでない堅田さんの力加減が絶妙で…『みかんの木』のこともとても面白がってくれた。

訪問時には細めの木を1・2本しか持って行かなかったので、実家に帰省後改めて木材を郵送させて頂いた。

そして…

試作品が届いた

そして 冒頭に紹介した試作品が、クリスマス翌日に届いたのであった。「材質については硬い方なので、小物を作るにはちょうどいいです」と、加工した感想も下さった。

お箸と箸置き

みかんの木は、樹皮を剥ぐととてもシンプル。表情のあまりない材ですが、樹皮を適度に残すととても印象が変わる。今回送ってくれた中で一番気に入ったのが、このお箸と箸置き。

マグネット

シンプルだけどこのマグネットもとても気に入った。一つ一つ異なる厚さや木目、そしてサイズ感がとても可愛らしかった。

キャンドルスタンド&名刺スタンド

木のぬくもりをダイレクトに感じる、温かみのあるキャンドルスタンドと名刺スタンド。無機質なところにそっと自然のものが置いてあるだけで、グッと雰囲気が変わる。

僕はキャンドルスタンドを、ショットグラスやおちょこの台にしてみた。和歌山のお酒がみかんの木のスタンドで出てきたら面白いよね。

和食器との相性も悪くないので、やはりカトラリーとかが面白いのかなーなんて思いました。

おわりに

地産地消、地域で作るものづくり、地元の作家さんが地元の材料を使って、地元で ものづくりをする取り組み。様々な町でそういった場面に出会う機会が増えた。

丁寧な想いや意図をものづくりに反映する…そういった取り組みがあるのはとても素晴らしいことだと思う。

それはそれで持続して欲しいという想いを伝えたうえで、僕は『地域をまたいだものづくり』『地域を越えたものづくり』『ものづくりを通じて繋がる』可能性に興味がある。

僕自身長らく日本各地を巡る旅をしているので、その土地に根付く活動をする人たちと視野が違うのは当然だと思うのだが、様々な地域間で『特性』や『魅力』って違うと思っていて、文化や習慣の違う他の地域と、あえてものづくりを共にすることで、今までにないものが誕生していくような気がしている。

それは物理的な『物』の誕生だけではなく、今までになかった人との繋がりやアイデアであったり、そこから派生する様々なヒトコトモノの循環であったり…多岐にわたる関係性の誕生でもある。

地元のものを地元で作って地元で売る…ということばかりにこだわるのではなく、関わった双方の地域で双方のものを売るとか、関係性を大切に育てていくとか…そういった視野で新しい ものづくりと向きあってみると、ものづくりをフックにした新しい関係が築けるのかなーと思う。

と、そういった考え方については、またものづくりキャラバンの範囲で表現するとして…最後に飛騨職人生活の情報を記載して終わりたい。

関連情報

今回試作品を作って下さった飛騨職人生活Calms Cafeさんの情報は以下。ワークショップやイベント出店の機会もあるようなので、是非FBページなどで進捗を追っかけてください。

▼Facebook:飛騨職人生活 Calms Cafe

▼Googlemap:飛騨職人生活 

楽天ショップ:飛騨職人生活

BASE STORE:Calms TheShop

コチラの記事も是非!!

▼「飛騨職人生活」で自分デザインのおしゃれアイテムを♪天然木を使ったものづくり体験!- GiFU MATiC

▼まちをやさしく結ぶ人 – 日本仕事百貨

今回の試作品。和歌山の人たちにも、何かしらのタイミングでみてほしいな。感想も欲しい。

そして、同じように和歌山下津町の みかんの木を使って何か作ってみたいという声があれば、余っている材料をシェアしたいなーと思ってます。

まだ【未完/蜜柑の木】は、たくさんあるから…

ものづくりキャラバンとは

この記事は、運営ーものづくりキャラバンというカテゴリーに投稿しています。

ものづくりキャラバンは、「地域をつなげる ものをつくろう。」をキャッチフレーズに、ものづくりを介して地域を知ってもらったり関係性を育んでいくためのアクションを目指しています。

▼詳しくはページ詳細へ

サトウ

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▼今回の ご当地○○

飛騨職人生活さんのコレ

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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