【高知】土佐山田 初夏のヒビヤレコーズ。

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

遠くへ来たわけでもないのに、旅をしているような感覚になることはありませんか。

こないだ、車で30分ほどのところにある『土佐山田』という町に行ってきたのですが、なんだか旅をしているような心地になりました。

HIBIYA RECORDS

高知県は香美市土佐山田町。

大通りから少し中へ入った場所に、なんとも雰囲気のある建物があります。

ここは、元々産婦人科医院だった場所をリノベーションした飲食店、ヒビヤレコーズ。

ヒビヤレコーズという名称とは別に、ランチタイムの営業は『cafe vert lime』、カフェ&ディナータイムの営業は『軒下屋台オトキチ』という名前がついているんだそうです。珍しいですよね。

錆びた看板がなんともいえません。

ランチメニュー

手漉きのパピルスのような紙に、手書きでメニューが書かれています。

この日のランチメニュー(日替わり定食)は、唐揚げ定食とキスの天ぷら定食の二つ。

二人で食事に来ていたので、2種類それぞれを注文し、写真を撮ったり会話を楽しみながら空間を味わいました。

夏の風を感じる空間

奥のほうから聴こえる古い洋楽とともに、昭和を感じる懐かしい扇風機によって流れる夏の風。

歪みやキズなど、綻びさえも魅力的…テーブルや椅子、建具それぞれに刻んできた時間を感じます。

空間はゆるく間仕切りされているものの、建物入り口から奥の厨房まで一つに繋がっていて、同じ延長線上にある空気感がなんともいえません。

風が通っている感じ、そして古いものに囲まれながら過ごす時間が、夏の情景にとてもマッチしていました。

アンティークなもの

置かれているもの一つ一つが興味深く、ついついカメラを向けてしまいます。

日常に溢れる誰かが作った人工物とたいして変わりないはずなのに、同じ “もの” に生命や愛おしさを感じる。

空間がそうさせているのか、時間がそうさせているのか、”もの” の魅力なのか…。

きっと人工的に作れない、時間や自然や使い手の偶然によって形成されるものに、魅力を感じていたのだと思いました。

カウンター周りも素敵

ここは病院の元受付でしょうか。

海外にある古い酒場のような多面体のカウンター、決して座り心地がいいとはいえない椅子。手入れの行き届いた道具一つ一つ。

僕らが着席したカウンター席も、なんともいえない雰囲気がありました。

いつもと違う視点、ゆったりと流れる時間。

肩の力が抜け、スローダウンしていることを実感していると、大きなお盆に並んだランチが到着しました。

大満足な定食

事前に料理写真を一切見ていなかったからでしょうか。

想像以上の華やかさとボリューム感に、とても驚かされました。

ご飯と味噌汁、お漬物と刺身、サラダに小鉢に、そしてメインディッシュ。

丁寧に味付けされた一つ一つに、贅沢を感じました。

正味30分近く、料理の到着を待ったように感じますが、門をくぐってから着座するまでの意匠を味わう日本料亭のように、その時間があってこその料理のようにも感じます。

お腹をすかせながらワクワクする時間と、それが満たされる至福の時間。贅沢以外の何ものでもありませんでした。美味しかった!!!

おわりに

インターネットでお店を調べてみると、あまり評価の良くない口コミも幾つか出てきました。

その一つは「料理が出てくるのが遅い」です。

振り返ると、お店に入った際に、「2人でお店を回していて、前に5組ほどお客さんが入られているので、お時間かなりお待たせしてしまうかもしれませんが…」「クーラーのない席になってしまいますが…」「席の移動は出来ませんが…」と、色々と事前に気を遣って声をかけてくれていました。

お客さんとのミスマッチを防ぐためにも、事前に予防線を張ることを意識されているのかもしれません。

僕はお客さんは神様と思わないし、店側にもお客さんを選ぶ権利があると考えている人間なので、このやりとりは必要なことなんだろうなーと、ただただ感じました。

ゆっくりと時間を味わえる贅沢

「電車に乗ってるみたいだなー。」

窓辺に座って変わらない風景を眺めているだけでも、ゆったりと風景を眺めることを普段していない僕らからしたら、それはスローダウンできる一つの機会だったりする。

今回は時間にゆとりをもってきていたので、こういった選択が出来たけれど、きっと街に流れるスピード感で、スローダウンできない時間枠の中でここへ来てしまうと、料理が来るまでの時間さえも、惜しくて耐え難いものなのかもしれません。

旅の心地の正体

宿の運営に関わっていると、スローダウンすることが苦手な人も少なくありません。それは旅においても一緒です。

滞在中びっちりスケジュールを入れてしまうと、スケジュール通りに動けないと、それは旅であってもストレスを感じることのようです。

高知旅の魅力は偶然を楽しむこと

『個人のキャリアの8割は、予想しない偶発的なことによって決定される』。スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱する「計画された偶発性理論」。キャリアデザインに使われる考え方ですが、旅にも同様のことが言えるのではと考えてみました。

各々の優先順位や選択があるので、何かを強いるつもりはありませんが、旅に関してもライフスタイルに関しても、味わうことの魅力ってあるなぁーと思いました。

「旅は、動き回ることではなく、むしろ立ち止まれるということ。」

時間に支配されている日常から離れ、ゆったりとした時の中で、小さな発見や味わうことを楽しめることこそ、旅なのかもしれない…

そんなことを回想したら、ヒビヤレコーズで感じた【遠くへ来たわけでもないのに、旅をしているような感覚】というのも、なんだか頷けるような気がしました。

ヒビヤレコーズは、僕にとってそんな場所。

また来たいです。

お店の情報

ヒビヤ・レコーズ

住所:〒782-0033 高知県香美市土佐山田町旭町2丁目1−6

連絡:0887-52-8488

営業時間:11時00分~23時00分(不定休)

駐車場:少し離れた場所(金高堂横に数台分)

高知 微住日記

日本微住計画BLOGをスタートして、初めての微住先となる高知市。ゲストハウス『TOMARIGI HOSTEL KOCHI』のお手伝いをしながら、高知の様々な方々と関わりをもてればと思っています。

▼高知滞在中の出来事は、このページに適宜まとめます。

https://satoshohei.com/kochi-bijyu/

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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