【高知】映画館併設型の老舗喫茶 1964年創業『メフィストフェレス』

サトウ

こんにちは。

微妙に住んでいると書いて『微住』。旅でも移住でもない、微住生活を過ごしている ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

夜の喫茶店にワクワクする。

…これって僕だけなんですかね?

喫茶店というと昼過ぎで閉店してしまうお店も多い印象ですが、夜も営業している喫茶店が市内に幾つかあります。

夜の喫茶店って雰囲気あって、時間がゆっくり流れていて、なんだか特別な気持ちになるのです。

今回紹介する『メフィストフェレス』は、夜の21時まで営業している夜カフェにおススメの喫茶店です。

メフィストフェレス

以前紹介した『SPOON』と隣接している喫茶店。

童話の世界にでてきそうなオブジェがひと際目につく、圧倒的きらびやかな外装。

このオブジェは、神戸出身の現代美術家 川埜龍三さんが2000年~2001年にかけて製作したパブリックアートが原型になっているそうです。

『原型になっている』という言い方をする理由…

2012年のリニューアルに伴い、作家として不本意な塗り直しが敢行されてしまったようで、今では「メフィストフェレスの壁画は川埜龍三の作品ではない」「勝手に手を加え別物にした」と答えてもらうようにしている…とのこと。<高知、メフィストフェレスの壁画の終焉より>

塗りなおされる前の写真がこちら。

高知、メフィストフェレスの壁画の終焉 – 川埜龍三の蔵4号より画像引用

確かに別物になっている…

非難に見舞われたファサードではありますが、今でもシンボリックな存在であることは言うまでもありません。

夜もとても雰囲気が良く、こんな感じにライトアップされます。

物語の世界に吸い込まれそうなドラマチックな外観が、僕たちを出迎えてくれます。

現代企業社の喫茶店

現代企業社が運営している喫茶店

高知県内に18店舗ほどの飲食店を構える『現代企業社』。

高知では有名なローカルチェーンですが、店舗ごとにコンセプトが異なり、一つとして同じお店がない…今風の飲食店経営を1950年代から行っている面白い会社です。

現代企業社 – Wikipedia

現代企業社の起源は、1950年代に高知市内で開業した喫茶店にある。最初の開店は1957年(昭和32年)4月に開店した「ニヒル」で、その後「ニヒル」経営者の兄にあたる大西清澄(1919年-2014年)も「ショパン」を開店した。

大西清澄は店の雰囲気作りも一種の芸術であるとの考えから、芸術家としても活動し始め、小説も書いた多才な人物である。「ショパン」がコーヒーにパンやサラダを付けて供したモーニングセットが、高知の喫茶店におけるセット提供の発祥であるとする説もある。- Wikipedia

店の雰囲気づくりも芸術である…
高知のモーニングセット発祥の説も…

今から60年以上も前に、このような感性で独自に経営をしていた企業。とても高知っぽくてカオスです。(好きです)

お店に入ります。

よく行くお店なので、夜と昼の写真を合わせて掲載しながら、お店の雰囲気をお伝えできたらと思っています。

(そうそう、このお店は『サイフォン珈琲』のお店なのです。)

入口は二重扉

玄関口の扉を開いても、まだ店内に辿り着きません。

(…ということで、外観の写真は幾ら撮っても店員さんに怪しまれることはないと思います。笑)

二重扉になっているロビー、右手には階段が。

ニ階三階もある。

右手にあるらせん階段を上がると、映画館のロビーのような場所にたどり着きます。

イベントなどで利用する場合以外、基本的には中に入れません。実際扉の向こう側はこんな風になっているんだそう。

この喫茶店の2階は昔、演劇や小さいコンサートが行われていましたが、今は改装され、ミニシアターメフィストホールと言う名前で運営されています。

(※画像は現代企業社さんのブログからの転載) – ZEYO

喫茶店×映画館=最&高!!

喫茶店の概念を逸脱していますよね。笑

高知って本当に面白い。

今も『ゴトゴトシネマ』という、土佐山発祥の移動映画館の会場として使われたりしています。

店内は広々&完全分煙

店内はレストランのように広く、テーブル数40卓ということなので100席はゆうにあるものと思われます。

たばこは完全分煙になっていて、禁煙席が圧倒的に広め。

喫煙スペースの写真…激シブでした。

充実したメニュー

お弁当、ハンピラ(ハンバーグ&ピラフ)、スープカレー、バケットセット、グラタン…食事メニューも充実しており、ランチタイム・ディナータイムともに賑わっている印象です。

モーニングは15時まで注文可能で、ちょっと小腹がすいた時にも嬉しいですよね。(コーヒーのおかわり150円も嬉しい。)

ドリンクメニューも多彩&比較的リーズナブルで、サイフォンコーヒーも400円で飲めてしまいます。

僕のおススメは+50円で注文できる生チョコ。

(メニュー表にはないかもしれません)

サイフォンコーヒーと生チョコ

このセットがお気に入り。

喫茶店のコーヒーというと、深煎りの苦いのをイメージしがちですが、メフィストフェレスのコーヒーは、『ちょっと薄い?』と感じるほどすっきりしています。(きちんと香り高い美味しいコーヒーですよ。)

生チョコはフォークで切れるほどしっとりしていて、コクがあってとてもコーヒーとマッチして美味しいです。

コーヒーを飲み進めていくと…

「お主はメフィストフェレスか?」と声をかけたくなるようなキャラクターが現れてきます。

メフィストフェレスとは

キリスト教の悪魔のひとつ。ゲーテの戯曲で有名なファウスト博士の伝説に登場する。 キリスト教の民間伝承に伝わるれっきとした悪魔であり、その地位は【大魔王ルシファーの代行】という高位にあるともされる。 諸説あるが、その名は【光を愛さない者】を意味するという。- ピクシブ百科事典

アンティーク雑貨や古美術品

オーナーさんが収集したアンティーク雑貨や美術品が店内を彩り、絵画や彫刻品なども数多くちりばめられています。

置いてあるものには年代を感じますが、空間全体は梁が見えている状態となっているほど天高で、今っぽいのお店の雰囲気も持ち合わせています。

古くもなく新しくもない感じが、なんとも不動の落ち着き感を与えてくれます。

おわりに

創業1964年(昭和39年)、高知市帯屋町でも最大級の広さを誇る老舗喫茶店。

それっぽいものを集めた新しいお店ではなく、今から50年以上前に開業した老舗喫茶店であるというところが、何よりも興味深く、そして魅力的に映りました。

お客さんの層も高校生からご老人まで幅広く、高知の各年齢層に愛されているような印象で、『新しい喫茶店』の姿を想わせるお店でもあります。

間接照明や流れる音楽、店員さんの制服や目に映る風景…夜に訪れたくなるおススメの喫茶店。

現代企業社の店舗は高知県内幾つもあるので、パンドラの箱を開ける覚悟で、今後別店舗の紹介も順々にしていけたらと思っています。

お店の情報

メフィストフェレス

住所:〒780-0841 高知県高知市帯屋町2丁目5−23
電話:088-823-7871

営業時間: 8:00~21:00 (L.O 20:30)
定休日:なし

たばこ:分煙
駐車場:なし

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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