【高知】東京から四万十へ引っ越して5年、店を続けて思うこと。

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

旅中に出逢った四万十にあるカゴノオト。

カフェ店主の前さんが3つに分けて書いていた「引っ越して5年間店をやって思う事 」のブログ記事が共感する内容だったので、今回こちらでも紹介させて頂く運びになった。

『将来田舎に移住したい』『田舎でお店を始めてみたい』…そんな人たちにとって、このような具体的な話はとても参考になると思う。

東京から四万十に引っ越してカゴノオトを始めて5年が経とうとしている。

「THE!田舎暮らし」のド真ん中を生きてる人は少数なのに、喧伝される田舎暮らし像は相も変わらず健康的で豊かでロハス。

あまりイメージを崩すのもよくないとは思うけど必要以上に美化するのもよくないので、自分達が引っ越してお店を続けて来れた理由を書く事で、いつかお店をやってみたい人や移住したい人の何かの役に立ったらいいなと思って書く事にした。

Blog:日々の記録 前 成照より

カフェとの出逢い

2017.01 四万十町昭和 カゴノオト

今年1月、ハウスキャラバンの途中、四万十にある一軒のカフェと偶然出逢った。

そのお店は、東京から移住されたご夫婦が経営されていて、(偶然にもいた)共通の知人の話や、共通の関心ごとに話がはずんだ。

 ▼Facebook:2017.01.26 「カゴノオト。」

大自然 四万十は、山と川に囲まれていて道路も多くないため、一度車を走らせるとショートカットして帰れる道はない。

帰り道に数時間かかる計算は変えられないものだったので、せっかくの出逢いも早々に小一時間で帰路につく選択をした。

それからは未だに遊びに行けていないのだが、SNSを通じて近況を知ったり情報交換をさせていただく関係になった。

引っ越して5年間店をやって思う事

Blog:日々の記録 前 成照より

今回は、3つのブログ記事からなる11の項目を、先ず一覧にました。その中から幾つかに絞り、ピックアップしたものを紹介出来ればと思っている。

2年で5割が潰れる世界

投稿はこのような冒頭から始まる。

カゴノオトを始めてそろそろ5年が経つ。

飲食店は開業して2年以内で5割が潰れると言われ、残った5割の内さらに2割が5年以内に潰れると言われている。なので5年も店がもったのは素直に喜ばしい事だと思う。

ただ、自分達が店を続けてこれたのは運が良かったという面も多いにあるので「こうやったら絶対に上手く行く!飲食店開業の極意5箇条!!」とか言う煽ったタイトルの記事は書けないけど、

これから仕事を辞めて開業しようとしたり、移住してお店をやってみようとか思ってる人の役に少しでも立てればいいなと思って、カゴノオトを5年間続けてこれた理由をツラツラと書いてみようと思う。

Blog:日々の記録 前 成照より

移住推進記事のようなものが目立つなかで、実際に移住し生活を営んでいる人の日々の視点は、貴重な情報源の一つだ。

PRでもなければdisでもない、体験談による知見の共有に共感した。

5年間で学んだ11のこと

【その1】
1、開業資金を徹底的に抑える
2、固定費を極限まで下げる
3、とりあえずやってみる
4、生活基盤の違いを知る

【その2】
5、値付けを高めに設定する
6、取引先は遠くても足を運ぶ
7、補助金の取得有無を選ぶ

【その3】
8、引き受ける仕事を選ぶ
9、身の丈サイズで勝負する
10、悩むことを受け入れる
11、情報に流されすぎない

統一させるために少し言葉を変えている箇所もあるが、全部で11項目をあげられていて、一つ一つにつき簡単なコメントが添えられている。

今回はこの中から、アンダーラインを引いた3つをピックアップしたので紹介したい。

4、生活基盤の違いを知る

場所にもよるけど、田舎は都会に比べて地域の繋がりが健在で、コミュニティーが生きている。

引っ越してきた人がそのコミュニティーで生きていく場合、地域の人に合わせる場面も出てくると思う。

地域の人はそこで長年生きてるので、地縁や血縁もあるし、土地も家も仕事もあって、生活基盤は磐石。

方や、引っ越して来た方は右も左も分からず、住む所も仕事も不安定で生活基盤を整えるのに必死で色んな意味で余裕がない。

そんな中で引っ越してきた人がコミュニティーのやり方に合わせて上手くやろうとすると、金銭的にも時間的にも何処かに負荷がかかってしまうように思う。

違う場所で生きてきた、違う人間なので色んな事が違って当たり前だけど、なかなか理解されない。

どちらが良い悪いとか、個人の性格がどうとか相性がどうとかいう話ではなく「生活基盤が圧倒的に違う」というのを前提に関係を作っていけるといいんだなと、今になって思う。

全く難しいけど。

ブログ引用

当然のことだが、地元に根付いている方々と移住者とでは勝手が違う。

移住者は『無い』が全てのスタンダードになるので、移住者が少ないエリアだとスタンダードが違いすぎてツラい。

『整備された土地があって道具も揃っている。文化や習慣が身についている。繋がりも資産もある。』

例えばそんな土壌がスタンダードな場所に移住者が飛び込んだ場合、みんなの当たり前に全然ついていけないことだろう。

初めてのことばかりで勝手も分からないし、時間もお金も掛けながら覚えていくしかない。ただそれをするには相応の優先順位をたてないとならないし、でもその感じを共感してくれる人が周りにいない…。

郷に従う…という意識・選択だけだと、

消耗し続けてしまうかも。

7、補助金の取得有無を選ぶ

東京から四万十に引っ越した理由の1つに「農業をしたい」というのもあって、農家さんの所でバイトをしていた。

バイトなのもあって仕事は不安定で、地域の人から心配される事もよくあった。

そんな時に正確な名前は忘れたけど「新規就農支援補助金」みたいな名前の補助金がキラ星の如く登場した。

記憶が曖昧で間違いもあるかもしれないけど、新しく農業を始める人に年間100万円とか150万円が補助されるらしく、そのための農地は優先的に借りられるらしく「向こう5年間やります」と約束すれば補助してもらえるらしかった。

農業をやりたくて引っ越してきたから、そんないい話はなかなか無いと役場の担当の人に聞いたり、問い合わせをしたけど5年後に自分が何をしているかは全く想像できなかったし、縛りがあると自由度が減るので辞退した。

それでも地域のお世話になってる人は「田舎で生活していくにも金はいる」とその補助金を強力にプッシュしてくれて、かなり説得してくれたけど、

最後の最後で

「生活はヤバイけど駄目で元々。それよりもその補助金をもらう事で、なんとかするという気概が削がれる方がイヤ!」と苦し紛れに本音が漏れた。

補助金は人を活かしもすれば殺しもすると思うので、補助金に自分のハンドルを握らせないように充分な注意が必要だと思う。

ブログ引用

「補助金は人を活かしもすれば殺しもすると思うので、補助金に自分のハンドルを握らせないように充分な注意が必要だと思う。」

最後の一文にしびれてしまった。

補助金を受け取ることも、裏を返せば覚悟や責任という言葉に変えられる。それを選択するのも一つだとは思うが、助成金・補助金ありきでものごとを進めるデメリットも確実にある。

各々選択すればいい話だとは思うが、こういった視点や決断を通せる人の話はとても参考になる。

結果、補助金なしで5年間生活をしながらお店を継続した実績ができ、今後何かを始めるときにも、この5年間のスキルは必ず活きてくる。

補助金・助成金の話は一度立ち止まって。色々と情報や可能性を並べてから後悔のない選択を。

8、引き受ける仕事を選ぶ

店を始めた当初は不安だったから来た仕事は全部受けていた。

そしてイベント出店の時、たまたま隣になった養鶏をやってるおばちゃんに
「引っ越して3年すれば生活出来るようになるわよ!」と力強く言われ、その言葉を信じてがむしゃらに働いた。

その時の仕事を羅列してみる。

お菓子作り
イベント企画
ライブ
昼のカフェ営業
夜のコース料理レストラン営業
個人宅への出張料理
個人宅の台所改装
ウェデイングのケータリング
イベント出店
料理教室
農作業(米、野菜、柑橘)
野菜の宅配
木工家具作り

広げるだけ広げてやれるだけやった。

そして忘れもしない開業3年目の秋。
痺れるほど忙しいその月が終わって「さぁ!今月こそ儲かっただろ!!」と鼻高々に通帳を覗き込むと残高は先月と一緒!!

広げるだけ広げた分アイテムも増えてそれらの購入に金もかかり、多方面に新しい事をやり続けるからどれだけ時間がかかるか読めず、勢いずーっと働き続ける事になり気晴らしに使うお金も増え、慣れない事を同時進行せざるを得ないからいつもの倍疲れてしまう。

挙句利益は薄っぺら。

心折れました。ほんと。

そこで心折れたので、経験のある人の所に相談に行って、がむしゃらにやるだけではなく、やり方を工夫するようになりました。

「3年で生活出来るようになる!」人もいれば、選ぶ業種や働き方、性格や舵の取り方で結果は人それぞれ全く違ってくるので、安易に隣の出店者さんの言葉は信じない方がいいです。

ブログ引用

まちの珈琲やさんが潰れない理由…の話にもあるが、『商品・サービスを絞ること』や『いかにやらないか』という視点は、とても重要なのだと思う。

ただ、どのようなニーズがどれだけあり、どのような反応があるか…という実質的なマーケティングは、田舎のような前例の無い場所では『やってみてはじめて分かる』部分でもある。消耗しない範囲で取り入れるのもありなのかもしれない。

あとは都会とはやはりサイクルが違うので、根付くまでの年月も早かったり遅かったり、その町のコミュニティによってもそれぞれあるだろう。火のつき方もまちまちだ。

一つのケースだということを踏まえる必要はあると思うが、こういった実体験や失敗談は本当に参考になる。

今回はこの3項目のみを取り上げました。

カゴノオト

さいごに、FacebookのページとGoogle mapでの店舗位置情報を添付します。

合わせて全文が読めるブログ記事リンクも掲載しました。そこまで長いものではないので、ご興味を持って頂けた方は是非全文読んでみてください。

読んでみた感想も、僕ではなくカゴノオトさんの方に直接お伝え頂ければ幸いです。

▼Facebook:カゴノオト

▼Google map:カゴノオト

・元記事はこちら

▼引っ越して5年間店をやって思う事

おわりに

僕らが受信している地方移住に関する情報は、キラキラ系のものか煽る系のもの、いずれかに偏っていることが圧倒的に多い。

これは『地方移住』というテーマに限ったことでもなくて、白か黒かで論じたほうが分かりやすいし、ディベートにしてもバズにしても、対立関係の議論によって深める…ということが根本にあるからだと思う。

ただ本当に移住を考えている人が知りたい情報って、その真ん中にあるような、日常であって実体験であって。論じたい人たちの情報ばかりに巻き込まれ続けるのもツラいんじゃないかと思う。

僕も色んな情報を受信するなかでそれを感じていて、そんななかでふと流れてきた『どちらでもなくてどちらでもある実体験』としてのこの情報に共感し、共有したくなった。

ディベートがしたいんじゃない

参考にしたいんだ。

こういう人たちに対して、具体的な情報や場を今後もシェアしていきたいと思っている。

ハウスキャラバンとは

活動期間:【 2016.03~2017.02 】

ハウスキャラバン(別名:移動式ゲストハウス House Caravan)とは、SNSの発信を通じて参加者を募り、旅の日常をシェアしながら、6人乗りのキャラバンカーで日本全国を巡業するソーシャルアクションです。

▼ハウスキャラバンの取り組みや情報はページ詳細へ

https://satoshohei.com/housecaravan/

サトウ

一人の一つの体験談でしかないが、そのリアルな体験談にこそにじむ教訓がある。

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▼今回の ご当地○○

高知のドリンクといったらコレ

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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