田中輝美さん著『関係人口をつくる』を読んで、旅人やブロガーの関わりしろを考える

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

まるで、自分がここ数年でしてきた旅を、端的に表現してくれるかのような「関係人口」という言葉。

『関係人口』というワードを目にする機会が増え、『いよいよそのときが来たか。』とワクワクが高まっています。

今日は改めて、そんな『関係人口』についての話をしようと思います。

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この言葉についての認識を深める本として、現段階でこれ以上優れている本を僕は知りません。この本を紹介させて頂きながら、関係人口の可能性や面白さについて、今考えていることをまた少し紹介できたらと思います。

(僕のことを知ってくれている方は、第2章からみてね。)

ローカルを応援する旅

8800字の自己紹介 僕が旅にでた理由。~フルボッコの数年間を経て~<2017年10月版>この度新たに satoshohei.com のドメインを使用したブログ運営をスタートすることにいたしました。

先ずは、改めて、僕の旅のことを手短に。

2014年から日本各地のローカルを巡る旅をはじめ、ヨソモノである旅人として、地に根付く活動を志す方々と出逢う機会を繰り返してきました。

僕は旅がしたくて「移動する生活」をしていたので、そこに残るという選択肢はなかったわけですが、移動する人間として地域と関われないものか…と、好きになったその地域を想うことが多くなりました。

旅人として地域と関わりたい。

当時、極小Webメディアを運営していた僕は、体験を通じての情報発信という手段や、マンパワーでのお手伝いという手段を通じて、地域と関わることを経験させてもらいました。

参照:8 旅人時代A 自転車野宿放浪生活

そんな生活の延長線上で、『移動式ゲストハウス ハウスキャラバン』という取り組みをスタートさせ、また異なる関わり方を模索する社会実験を行ってきました。

参照:9 旅人時代B情報共有から体験共有へ

旅人として体験してきた、『受け皿』を担ってくれる土着の人たちの恩恵や心強さ。

旅人と土着の人たちの間にある『双方にとって魅力的な、持続可能な関わり』について、更に追求したくなり、その隙間を埋めるための社会実験として、受け皿側の体験をさせて頂くことをはじめました。

参照:10.2 旭川住み開きシェアハウス

ここについては、まだ体験量・情報量ともに圧倒的に少ないので、今しばらく場を運営する側の視野を身につけていきたいと思っています。

参照:10.1 旅人インレジデンスの提案

関係人口をつくる

関係人口についての説明は、ブログ内でも新たにカテゴリーを設けたので、少しずつ丁寧に共有していければと考えています。

関係人口を共に面白楽しんでいるA1さんのブログも参考になるので、お時間ある方はこちらも是非に。

『微住』という第三の選択

この関係人口をつくる…という考え方を踏まえ、先日『日本微住計画』というパロディ記事を書きました。

微住とは『移住・定住』と『旅での滞在』の間にあるような、「旅するように暮らす」「暮らすように旅する」をバッグ一つで実現する、前向きな仮暮らし的生活スタイルであり、地域と繋がるソーシャルアクション。

記事そのものはパロディですが、考えていることは結構真剣で、微住という概念を深めながら拡げていきたいですし、具体的に仕組みづくりをし始めていきたいと思っています。

関係人口という概念が広がりつつある今、ハウスキャラバンでの活動や旅人インレジデンスの発想をもとに、『旅するように暮らす』『暮らすように旅する』を考える。移動する生き方をしながら地域と関わる【ローカル×ソーシャル×旅】の新しい仕組み。

ここで書かれていることが、正しくこの「関係人口」の話と重なっており、移住者の取り合いではなく関係者の循環を、旅人やブロガーによって生み出せないものか…と提案しています。

情報拡散力や発信力、一時的な労働力などにおいて、旅人やブロガーが関われる『関わりしろ』をつくる。
地域内でプレイヤーを抱え込まず、『ユルい繋がり』を形成しながらキャッチ&リリースを繰り返す。
地方で活動する母体と、移動する生き方を選択するプレイヤーの間で、関係性を作り紐付けていく。
リアルな場での口伝や情報発信を通じて、様々なヒトコトモノ情報の流動や循環を生み出す。

これらの要素を通じて、「適正な場所に適正な人が、適正なかたちで関われる」ようになっていったら面白いなーと妄想しています。

移動する生活を始めて4年目。滞在費無料施設の探し方をまとめました。シェアハウス、移住体験施設、サテライトオフィス、エコヴィレッジやWWOOFまで。日本各地で様々な受け皿が増え、滞在におけるハードルが下がってきています。

日本全国で広がり始めたブロガーインレジデンスの波。今回は南三陸花咲かせ隊の取り組みをピックアップ。宮城で住み開き!? 元社員寮の広々シェアハウスに注目。

ここで紹介している、ブロガーインレジデンスの取り組みや、お試しサテライトオフィスの取り組みも、情報の流動や循環を意図の一つとしています。

従来的な『地域おこし』だけでは手詰まりになっている地方自治体も増えてきて、今後もこのような関わり方を取り入れる『受け皿』整備が加速するのではないかと予想しています。

関係人口になる

それでは、関係人口になるにはどうするべきなのでしょうか?

今すぐ関係人口になれる分かりやすい説明として、本書から引用したものを幾つか紹介します。

関係人口 4タイプ  (P057~058 参照)

定住人口と交流人口のどちらにも当てはまらない「地域に関わってくれる人口」である「関係人口」について、どのようなタイプがあるか…という切り口で、以下の4タイプが紹介されています。

1.地域のシェアハウスに住んで、行政と協働でまちづくりのイベントを企画・運営するディレクタータイプ
2.東京でその地域のPRをするときに活躍してくれる、都市と地方を結ぶハブ的存在
3.都会暮らしをしながら、地方にも拠点を持つ「ダブルローカル」を実践する
4.「圧倒的にその地域が好き」というシンプルな関わり方

必ずしも地方に拠点をおく必要性はないし、必ずしもこれをしていなければならない…というものもありません。

ただ、姿勢としてなにか関わり(「繋がり」ともいえるだろうか)をもちたいという想いが、前提としてそこにのっかっていて、何かしらの『関わりしろ』がある状態が必要になってきます。

関わりしろ (P060~061 参照)

更に『関わりしろ』についても、6STEPの階段状のグラフが紹介されています。1→6にいくにつれて、地域への思い、地域への定住志向性は高くなる…というものです。

1.特産品購入
2.寄付(ふるさと納税)
3.頻繁な訪問
4.現地ボランティア活動
5.ニ拠点移住
6.移住定住

段階についてこのように書かれてはいますが、関係人口論は「関わりの階段」を登ることに必ずしもこだわっておらず、階段の同じ位置にとどまる人も含めて関係人口であり、それを尊重する議論である…とまとめています。(共感すぎる!!)

ゴールへの6STEPではないため、移住定住を目指すための対策ではない…ということを強調されているのが印象的です。

関係案内所

また本書では、ソトコト編集長の指出さんが提唱する『関係案内所』という言葉についても度々触れています。

指出さんは、観光案内所のことを「そこで何か新しい情報が得れるとか、ときめくことには出会えない気がしませんか?」と投げかけます。 P066 参照

観光案内所のパンフレットをみても、『欲しい情報はこれじゃない感』が強いのは、僕だけではなかったようで、とても共感するとことでした。

地域の面白い人に出会えるホットスポットや、こんな役割が地域に求められていると伝えるような、関わり方を案内する機能を果たす場所…そんな風に本書では書かれてありました。

関係人口 関連書籍 ブックマーク

本書では、時代の流れとともにあった今までの取り組みや、これからの考え方を紹介している書籍の情報も多数紹介されていました。気になる書籍をブックマークしました。

(本を読み進めると、全部欲しくなる!!!)

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本書では、『関係人口』という言葉をパイオニア的に取り込んだ本として紹介されている。都市住民が定期的に地方を訪れる「逆参勤交代」という関わり方についても書かれている。東北食べる通信の編集長、高橋博之さんの著書。

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本書の中で度々引用される本。「逆参勤交代」にとどまらない多様な関わり方として、関係人口を「未来を拓くキーワード」として紹介している。ソーシャル世代の価値観が感じられる一冊。ソトコト編集長の指出一正さんの著書。

雑誌

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ソトコトが大きな舵をきった号として、本書で何度か紹介されている『日本列島移住計画』特集。海外移住の特集から、国内移住の特集に切り替えた幻の号。

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上で紹介した ソトコト『日本列島移住計画 特集』同様、国内移住にいち早く焦点をあてた、自休自足(現TURNS)『都会よ、さらば!移住新世紀』号。この特集も挙げられている。

その他紹介されているもの

・移住者の地域起業による農山村再生 (JC総研ブックレット)2014/9 一伸, 筒井、 康富, 佐久間

・地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)2014/8/22増田 寛也

よそ者と創る新しい農山村 (JC総研ブックレット) 単行本 –2017/3/27田中 輝美  (著),‎ 小田切 徳美 (監修)

おわりに

『関係人口』という概念は、今後もっと露出が増え、一般的に注目されていくと思っています。何故なら…、、、

その理由はこの本に詳しく書いてあります。

今まで個人的趣味で実践してきた、数年間の社会実験とその活動。社会に向けて仕組み化するその時が、近づいてきているのかもしれません。

関係人口とは、言葉のとおり「地域に関わってくれる人口」のこと。自分でお気に入りの地域に週末ごとに通ってくれたり、頻繁に通わなくても何らかの形でその地域を応援してくれるような人たち。

『関係人口』に関する記事を、以下のページで蓄積し始めました。

平成30年度、総務省では「関係人口創出事業」に対し2.5億円の予算を既に計上しており、今後一層注目される言葉になっていくと予想しています。

▼詳しい情報や関連記事の深堀りはこちらから

https://satoshohei.com/kankeijinkou-matome/


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サトウ

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新しい概念として現在注目されている「関係人口」について書いた記事を蓄積しているページです。オススメの書籍などの紹介もしているので是非。

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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