【大阪】清滝団地 NPO法人ハローライフが目指す若者就職支援とは

こんにちは、名を ヒンコン・ソウ @tempurubato_yh と申します。
(日本の貧困問題に関心のある佐藤翔平です)

本日は、他人家族というFacebook page で取り上げた『住宅つき就職支援』の活動を紹介していきます。

ハウジングファースト

ハウジングファーストとは

「ハウジングファースト」とは、住まいを失った人々への支援において、安心して暮らせる住まいを確保することを最優先とする考え方のこと。

1990年代にアメリカで始まったハウジングファースト方式のホームレス支援は、各種の調査でその有効性が証明されたことにより、全米の各都市で採用されるようになりました。

今回の『住宅つき就職支援プロジェクト MODEL HOUSE』の取り組みは、いわゆるホームレス支援ではないが、安定した生活を送るために、先ず安心できる家が確保されている…という部分では共通していることかなと思う。

▼空き家で貧困を解決する!?「ハウジングファースト」とは

また今回は触れないが、障害者支援のようなものも、自立支援という枠組みでみると結構近しい題材なのだと思う。

「大阪では自立支援を推進するNPOが全国的に比較してもとても多い」…と障害者支援の活動に詳しい友人から聞いたことがある。家と職の土台は、安定した日常生活において、きってもきれないものなのだろう。

関連記事の紹介

他人家族を通じて共有してきたハウジングファーストに関する記事を幾つか添付。

なかなか当事者のように意識するのは難しい『ホームレス問題』ですが、僕自身は家を持たない旅生活をしばらく体験してきたもので、共感できる部分が多い。

地方就活生の就活費問題

『先ず拠点をサポートする』という今回の取り組みは、地方就活生の就活費問題にも通ずる話ではないだろうか。

地方の学生が都市へ出て企業説明会や企業面接を受ける日々にかかる費用は、近郊の学生の1.5倍 平均でかかるといわれている。場所によっては2.5倍近く。交通費や飲食費、リクルートスーツ、就活用品など、就活にかかった費用の合計が、四国では平均約43万円というデータがある。

⇒地方学生は約1.5倍!?就活にかかる平均費用の実態を徹底調査!

就職活動をするための拠点に関してかかる費用、また拠点がある安心感は、きっと就職活動そのものにも影響を与えることでだろう。

僕自身でいうと横浜の実家から都内の大学、都内の企業面接へ出向いていたので実体験こそしてこなかったが、週に数回、面接や説明会の予定をびっしり詰め込んで、ホテルと会場を行き来する地方就活生の苦労は相当のものだと思った記憶がある。

MODEL HOUSE

さて、幾つか関連性のある事例を紹介したところで、冒頭に紹介したMODEL HOUSEの取り組みに触れていく。

取り組みを一言で説明すると、『空き家の公営住宅を無料で貸し出し、就職サポートを包括的に行う全国初の取り組み』だ。

あらゆるセクターが一体となり、時代の変化に合った新しい人生モデルを作り上げていく試みです。

それは、単身の若者や中高年層の入居が一般的でないとされてきた公営住宅の新たな活用モデルでもあり、収入をあげるだけでなく生活コストを下げ生活の安定を図る、新たな「生き方・暮らし方」でもあります。

収入と支出のバランス…

この提案は、僕が2014年に書いた記事とも重なり、これからの時代と向き合うなかで共感できる視点の一つだ。

▼日本にいながら、月3万円で暮らす方法。【やめるべき7つのこと】

今回、10部屋からスタートするこの若者就職支援モデル・公営住宅活用モデルが広く汎用され、支援を必要とするあらゆる人に行き届くことで、誰もが仕事・住まいに安心でき、しあわせに生きることが出来る社会を作り上げていきたいと思います。

全国でも汎用できる事例として、仕組み化・オープンソース化させていくことを目指している。社会問題のピースをリデザインして問題解決に向かうアクションをおこす。上手く事例化できれば、全国的に飛び火していく可能性を感じる。

活動の背景

大阪府の若者の概ね4人に1人にあたる約37万人が非正規雇用であり、その平均年収が正社員の約3分の1であること。

ワーキングプア状態に陥り、仕事も住まいも失ってしまう若者がいること。

収入格差の拡大により生涯未婚率が上昇し、家族の在り方が変化してきたこと。

活動の背景にはこのような大阪府の現状があるようだ。

先ず第一に若者の雇用促進・就活支援というものがベースにあり、空き家問題対策の一つとして、また団地の若返りや多世代交流、コミュニティ創造の要素として、様々な成果が期待できる取り組みである。

3つのサポートプログラム

大きく要素分けすると3つの支援プログラムが用意されているようだ。一つ一つ引用していく。

就職サポートプログラム

わたしたちNPO法人ハローライフが運営する就職支援施設 「ハローライフ(大阪市西区)」などで、就職プログラムにご参加いただきます。

その他にも、「大阪府地域若者サポートステーション」や「OSAKA しごとフィールド」での支援メニューを利用しながら就職に向けてのステップを歩みます。

自己分析・企業研究・就職準備研修を中心に取り組みます。その後希望する企業へ応募し、就職をめざします。

自分で納得のいく就活・就職ができるまで、ハローライフなどのスタッフが全力でサポートします。

就職支援を専門にしているプロのバックアップを受けながら、成果へ繋がる前向きな就職活動をサポートしてくれそうだ。

住宅サポートプログラム

住まいとなる部屋を1部屋ずつ提供するプログラムです。

大阪府四條畷市にある団地の部屋を、ひとり1部屋ずつ提供します。その後、それぞれが住む部屋の清掃に取り組んでいただきます。

※第一・第二期募集ではそれぞれの部屋を、ノウハウを持つスタッフの指導のもと、壁や床の塗装、タイルづくりなどに取り組み、住みよい空間に改修・リノベーションしましたが、第三期募集ではリノベーションは実施いたしません。

大掛かりなものではなさそうだが、第一期、第二期の募集ではリノベーションが学べるプログラムがあったようだ。簡単な清掃を引き換えに、一年間無償で住居が提供される。

コミュニティサポートプログラム

入居した後も継続して働き・住み続けるために必要なサポ ートを行うプログラムです。

参加者に提供する10部屋以外の一部屋を、「コミュニティスペース」として開設します。

参加者であれば誰でも自由に利用することができ、スタッフや仲間に仕事の悩みを相談をしたり、一緒に食事を楽しむこともできます。

その他にも自治会活動や、地域住民との交流を図るプログラムを通じて地域活動にもご参加いただきます。たくさんの方との関わり合いの中から、さまざまな暮らし方・生き方を学び、自分の将来や人生をよりよくしていく力を身につけられるようサポートします。

さいきん形態として注目され始めている『シェアアパートメント』の感じにも近いだろうか、独立したプライベートスペースとは別に、共有スペースを確保し充実させることによって、人との繋がりを意識できる場を目指す…必要な要素だと思う。

詳細情報

さっそく、11月中旬以降に現地説明会の予定があるようなので、詳細情報を最後に掲載させて頂く。

▼説明会の情報

【日程】

2017年11月16日(木)15:00〜16:30
23日(祝・木)15:00〜16:30

【場所】

大阪府四條畷市清滝 府営清滝住宅13棟106号室

▼募集対象

【年齢】

15歳〜概ね39歳までの単身の方

【定員】

(第三次募集)2名

【条件】

以下いずれかの条件に当てはまる方
①現在失業状態で、就職し自立したいと考える若者
②不安定な就労・就業状況を繰り返している若者

今回紹介した活動の情報は、MODEL HOUSE HPの方で詳しく解説されています。是非一度訪れてみてください。

▼ MODEL HOUSE HP

また産経WESTで取り上げられていた同プロジェクトの記事も是非参考にしてみてください。

▼産経WEST / 若者の独立促す「住宅つき就職支援プロジェクト」 団地の若返りも狙う、大阪府営住宅で初の試み

まとめ

僕自身の正直な想いからいうと、「就活して就職しなきゃ生きていけない…」というような狭い視野や提案はしたくなくて、それこそ千葉金谷の「田舎フリーランス養成講座」のような自立のカタチがあってもいいと思っている。

ただ、各々に個性・特性があるのも一方であって、『仕事に対して受け身になる』ことを悪だとは思わないし、そういった段階を経てみる、経験してみることも悪くないと思う。

企業を通じて社会に参加することも、産業の維持や経済の維持をする上で必要なアクションかもしれないし、各々の役割、社会においてどのポジションで生きたいか…という選択でもあると思うので、否定しない。

『就職したいけど上手くいかない。資金やエネルギーがどんどん削られて、これじゃ精神衛生上も良くないし、このままだとホームレスになっちゃう…』

そんな不安や焦りを感じながら活動を継続せざるを得ない状態なのであれば、一つの選択肢として話を聞きに行くことも大事な一歩なのかもしれない。

僕自身スゴい狭い視野のなかで生きてきた自覚があり、知見を拡げるために旅をしたり、ヒトコトモノとの出会いを繰り返す選択をしてきた部分もある。

様々な体験をしてみてどうだったか、様々な出会いを通じてどのように今感じているか…そういったことをこれから若い世代に伝えることも一つの使命だと思っているので、今後もこのような取り組みの紹介や実体験の話を通じて、『生き方』や『はたらき方』の面でも情報を共有していけたらと思うよ。

8800字の自己紹介 僕が旅にでた理由。~フルボッコの数年間を経て~<2017年10月版>

▼日本にいながら、月3万円で暮らす方法。【やめるべき7つのこと】

▼『消えて、生きる。』映画 アズミ・ハルコのセリフに共感した。

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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