町の記憶を記録する…絶版本『高知遺産』の存在

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

噂のあの本が、TOMARIGI HOSTELにやってきました。

その名も 『高知遺産』

2005年に創刊された、町並みや風景の写真250点を記録したアーカイブ本です。(現在入手困難な一冊)

ひょっとしたら、他の町にもこれと同じような本があるかもしれません。

なくなりつつある昔ながらの町並みを、慈しみ面白がり、そして記録するための本。

日本各地を旅しながら、同じような町並み写真をよく撮りためていたので、僕にとって、とても共感できる、魅力的な本との出会いとなりました。

高知遺産

この本は、高知市北高見町のギャラリーgraffitiにて2004年1月、5月、10月の3回にわたって開催した「高知遺産」展で、参加者及び来場者により認定された400点余りの【高知遺産】をもとに構成したものです。

この本を片手に、ぜひ高知の街を散策してみてください。そして、これまでとは違った、新しい街の魅力を発見してください。

2004年の展示を通じて、参加者来場者が『高知遺産』と “認定” したもの。

認定とはどういうことかというと、以下のような判断基準により選定されている背景がありました。

高知遺産とは

・高知遺産の定義 「遺産」は過去のものではない

一般的に遺産という言葉には、「過去のもの」というイメージがつきまといます。しかし、この本でいうところの「遺産」とは、決して「過去のもの」だけを指すものではありません。

私たちの考える「遺産」とは、あくまで “現在のもの” であり、”未来につなぐもの”。したがって、「高知遺産」の具体的な定義を記すとすれば以下のようになります。

①愛着を感じる場所

②思い出のある場所

③できることなら残したいと思う場所

これらが前提となるわけですが、選定にあたった人たちの『個人的な』思い入れによる評価基準で選定されており、客観的なものではなく主観的な想いをアーカイブするためのプロジェクト…ということです。

平均をとるのではなく、ミクロの視点で、一人の想いやエピソードに寄り添った選定。

だからこそ、なにか刺さるものがあるのかもしれませんね。素敵な評価基準だと思いました。

気になるエピソードや面白い場所を幾つかピックアップしてみました。

高知には独自の魅力が存在します。

塩田湯 (P27)

閉店間際、店主がバイオリンで蛍の光を演奏するという銭湯…かっこよすぎ!!

いかちゃんく(P44)

おでんを頼むと、あたりまえのようにハケでお好み焼きのソースを塗られる…という駄菓子屋『いかちゃんく』。

ロバのパン屋(P103)

日本で4店までに減ったロバのパン屋。先日記事にしたお店も載っていました。

その昔、ロバや馬を引いてパンを行商していた【ロバのパン屋さん】。日本各地に存在していたロバのパン屋さんは、今現在日本で4箇所のみ移動販売を継続しています。その一つがここ高知に残っており、ついにご対面を果たしてきました。

トタン建築(P80)

目を疑う高知のトタン建築。高知遺産にも載ってました。

おわりに

廃墟に裏路地に工場地帯、映画館や銭湯、石積みに川に…

まだある高知遺産、変化する高知遺産、なくなってしまった高知遺産。

決して「過去のもの」ではないそれらを記録する本という言葉が、とてもスッと入ってきました。常に変化する町並みに寄り添う一冊です。

町の様々な場所が新しくなり、大手ショッピングモールも建設され、高知の町は随分と暮らしやすくなりました。

暮らしやすさの代償に消えていく、思い出の積もった場所や風景。。。

「たくさんの人の思い出が積もっている場所にこそ町の面白さや魅力、いわば「高知らしさ」があるのではないだろうか。」

…そのような意識のなか作られた一冊。

これから数年 経った時、どれだけ街が変わっているのだろうか。どれだけのものを失っているのだろうか…。

実際に目の前から姿かたちは消えてしまっても、このように記憶を記録する…という手段を通じ、奪われない『思い出』を大切にしたいものですね。

素敵な本だと思いました。

他サイトの情報

自費出版では異例の7000部を完売し、現在絶版の『高知遺産』。

発行から10年となる今後は、書籍のデジタル化を予定しているとのこと。


2005年に更新されている取り扱い店舗情報です。

Amazonなどオンラインでの取り扱いは見当たりませんね…。

TOMARIGI HOSTEL にも置いてあるので、ご興味の方は是非。オススメです!!

TOMARIGI HOSTEL 宿情報

TOMARIGI HOSTELは、2018年2月15日、高知駅から徒歩15分の菜園場にオープンした新しいゲストハウスです。3つのSNS( Facebook、Instagram、Twitter )と、HPを通じて情報発信をしています。是非フォローよろしくお願いします。

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とまり木ホステルでの日々に関しては、こちらのカテゴリーに蓄積させています。

関係ーTOMARIGI HOSTEL KOCHI

こちらの記事も是非

2018年12月1日に発売された『マッチと街』が面白い。『高知遺産』に続き、ローカルでディープな高知がにじみ出た一冊になっています。
Art、Culture、Technologyの頭文字をとって、ACT Land。 首尾一貫 『アクトランドはヤバい!!』 という言葉で意識低めにまとめています。
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『個人のキャリアの8割は、予想しない偶発的なことによって決定される』。スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱する「計画された偶発性理論」。キャリアデザインに使われる考え方ですが、旅にも同様のことが言えるのではと考えてみました。

高知 微住日記

日本微住計画BLOGをスタートして、初めての微住先となる高知市。ゲストハウス『TOMARIGI HOSTEL KOCHI』のお手伝いをしながら、高知の様々な方々と関わりをもてればと思っています。

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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