『お金がない』若者の貧困化と○○離れ。

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

生きることって、お金のかかることですよね。

貧乏生活を続けていると、正直不便を感じることも多いです。ですがその一方で、少ないお金をどこへ向けるかという意識は強くなるので、散漫よりも集中に向っている気がして、悪い心地ではありません。

今回は、貧困化と○○離れの繋がりについて、少し考えたことを書き残してみます。

働く者食うべからず

先日、NHK Eテレで放送されていた『ニッポンのジレンマ』という 番組をみた。

「働きたいのに働けない 若年無業のジレンマ」

ゲスト出演していた、フィンランド出身のトゥーッカ・トイボネンさん(ロンドン大学UCL准教授)は、『元々フィンランドでも「働く者食うべからず」と同じような言葉があったが、昔の人が使っていた昔の言葉』と紹介をしていた。

一方で、漫画家 蛭子能収さんは、「今でも『働く者食うべからず』と思う。働くことが生きるうえでの大前提…」ということを言っていた。

「日本は時代遅れ。」「息苦しい。」という意見が集中した一方で、「(働く者食うべからずに対して)僕もそう思う。」という意見も出て、『働く者食うべからず』という言葉が、放送後のTwitterで議論の的になっていた。

働くという定義にもよることだと思うが、【今の社会が求める型にしっかりと適応して】「働く者食うべからず」と、一辺倒の価値観だけを押し付けられてしまうなら、僕も息苦しさを感じるなぁと、そんな風に眺めていた。今の社会に対して、カチッとはまれる人スゴイよなぁとも。

ゲスト登壇していたPhaさんは、『何事にも適性がある。一般的な働き方が適している人もいれば、苦手なひともいる。苦手なひとにも、他の適性があるかもしれない。同じ型だけを押し付ける社会は息苦しい。』というようなニュアンスの話をされていて、僕はとても共感をした。

月収ではなく年収が50万円

ハウスキャラバン スライド

僕は昨年、人生の中でも究極に貧乏な一年間を過ごした。

決して誇れることではないのだが、昨年一年間『移動式ゲストハウス ハウスキャラバン』の活動をして得た給与は、高校生時代の約半分近く、サラリーマン時代のたった二ヶ月分だった。因みに、貧困層の目安(年収114万円未満)の半分という数字…

ミニマルだなぁ

ハウスキャラバン スライド

仕事内容はざっくりこんな感じ。

その土地で、人手が必要な多岐にわたることを、有償・無償問わず関われる範囲でお手伝いしていて、「手伝いたいと思える人の手伝い」「手伝いたいと思える内容の手伝い」に絞り、選んで仕事をしていた。

ハウスキャラバン スライド

一時的な『社会実験(遊び)』として選択するだけにしても、色んな見方が出来るし、日本では真面目な人から『税金払え』『非国民だ』と批判されるようなこともある。

ただ一方で、「一年間、毎月違う町へ移動する旅を続けて、年間50万円の給与でやりくりするってどういうことなの?」と関心を持ってくれる人もいる。

「何のために働き、何のために稼ぎ、何のために生きるのか。」そこに対する自問自答の日々でもあった。昨年までの活動は、お金として稼ぐことにあまり注力していなかった。

こちらは、一年間の活動終了後に集計したデータ。

人を乗せる際にお金を取ることは出来ないし、人を泊めるときも同様に、料金を設定することはしなかった。

裏話をすると、活動に共感した人がお金を寄附してくれたことも多かったし、お金以外でのコウカンを通じて循環を生む社会実験でもあったので、迷惑をかけたり助けてもらう活動でもあった。

若者の貧困化と○○離れ

少し前に、Twitter上こんな記事を見かけた。

▼若者の「外出離れ」が判明⇨「貧困化」を「○○離れ」って言うな、と怒りの声も

簡単に要約すると、こんな感じの内容だった。

「国交省の調査:20代男性の休日の平均移動回数が大幅に減少したこと」に対して、「クルマ離れ」「ビール離れ」「海離れ」など、若者の「◯◯離れ」と同じように「外出離れ」と報道したメディアに対し、「離れじゃなく貧困化では」という指摘が多数挙がり、共感が集まっている。

インターネットやスマートフォンの普及が急速に進んでいることや、宅配便取り扱い数が増えていることなどを挙げ、平日も外出せずに家にいる人が増加している。

また、このような話に展開する同記事に対し、貧乏生活をしばらく続けてきた僕も、(家はなかったけど)共感する部分があった。

一方で僕は、貧乏ながら引きこもる選択をするのではなく、日本各地を移動しながら様々な方々と交流し、学びの多い充実した旅を続けさせてもらえた。

お金の制約で選択できないのは、非常にもったいないよなぁ…と感じる部分もあったので、こんな言葉と共にRTした。

情報を得ることが出来ても、体験することを通じてしか成長や真の学びはない。そして体験することの多くは、家の外にある。

スマホのコスパ

僕は旅をしているにも関わらず、オンライン上にいる時間がとても多い旅人だ。

操作する時間で失うものもあるが、情報収集・情報発信・情報蓄積がスマホ1つで出来ることは、旅の充実に繋がるし、旅を通じて出来る範囲も拡げてくれる。

何故スマホ、何故SNSに向かうかというと、時間やお金やエネルギーのバランスをみたときに、とてもコスパが良いからだ。

スマホ離れは起こっているのか

先ほどの『○○離れ』に関して、仮に『貧困化』と直接の因果関係があるとするなら、お金のかかるスマホやSNSに対しては、『○○離れ』の概念は当てはまるのだろうか。

▼総務省|平成29年版 情報通信白書|SNSがスマホ利用の中心に

▼【ウワサの真相】”SNS離れ”はウソ!?Facebook、インスタ、スナチャ。イマドキのSNS事情から読み解けるインサイトマーケティング。

総務省|平成29年版 情報通信白書

総務省|平成29年版 情報通信白書

6.【結論】”SNS離れ”ではない。”ニーズ”が変化したということ。

いろいろと他の記事やTwitterなどでのつぶやきを見ると、どうやら「SNS疲れ」は起きているし、「Facebook離れ」も起きている。

でもだからといって「SNS離れ」ではない。キーワードは「ニーズの変化」と「インサイトマーケティング」だと思います。

marketing rc

2つの記事を眺めて分かったのは、SNS離れやスマホ離れは到来していなかったということ。『貧困化』が全ての要因としてあるのだとしたら、お金のかかるあらゆるものが、減少して当然だと思うが、減少どころか増えていた。

確かにSNSそのものは無料で使えるわけだが、『スマホ利用者数=SNS利用者数』は比例関係にあり、通信費や固定費はかかってくるわけだ。

何に離れて、何に集まっているのだろう?

そして、その要因は?

着目すべきは貧困化ではなくコスパ

若者の○○離れは『貧困化』が要因なのではなく、『コスパ(費用対効果)』に敏感になっていることが要因なのではないだろうか。

確かに、『コスパ重視』になった要因には『貧困化』があると思うのだが、コスパの高いものにはお金も出すし、行動も起こすし時間も割く。必ずしも、貧困化とイコールではない。

おわりに

都市から地方に移りたがる人の一部は、『ものごとの優先順位の再設定』と共に、生活にかかるあらゆる『コスパ』を比較してのジャッジである。

実際には、都市と地方でかかるコストの内容が全く変わってくるので、手放しに『田舎はコスパが良い』とは言い切れないが、選択・視野の正誤ということではなく、世の中の流れ・消費者行動として、そんな視野が重視されている印象がある。

ただ、『より安い方に、より便利な方に、より楽な方に』と、チープな方向ばかりに全てが流れているかというと、そんな風にも感じていない。

▼お金の「カッコいい」使い方と「カッコ悪い」使い方

【お金・時間・エネルギー】様々な資源を何処に向けるか。

そんなふうに、ものごとを選択し始めている人も確かに増えはじめていて、【貧困】の裏側にある効能に、今とても興味がある。

貧乏生活を続けていると、正直不便を感じることも多いです。ですがその一方で、少ないお金をどこへ向けるかという意識は強くなるので、散漫よりも集中に向っている気がして、悪い心地ではありません。

冒頭に書いたこういった感覚を、今しばらく研ぎ澄ませながら、自分にとって腑に落ちる選択、ちょうどいいところ を見つけられたらと思う。

 

サトウ

死に近い生活をしているほど生を感じる。お金に関しても、何処か似たような感覚があるのかもな。

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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