こんにちは。
ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。
関係人口という言葉をご存知でしょうか。
関係人口とは、言葉のとおり「地域に関わってくれる人口」のこと。自分でお気に入りの地域に週末ごとに通ってくれたり、頻繁に通わなくても何らかの形でその地域を応援してくれるような人たち。
▼詳しい情報や関連記事の深堀りはこちらから
https://satoshohei.com/kankeijinkou-matome/
このブログでも度々取り上げていますが、『移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる者』のような意味のある【関係人口】という概念。
総務省平成30年度の予算で「関係人口」創出事業に対し2.5億円を割り充てられ、また『内閣府が掲げる次の地方創生の最重要項目』にも選ばれ、これからの地方創生を考える上で今非常に注目を集めています。
今回は、総務省のHPで4月末に発表された『関係人口創出事業 モデル事業の採択団体の決定』の情報と共に、各地で行われている取り組みについて紹介できたらと思います。
「「関係人口」創出事業」モデル事業の採択団体の決定
総務省において開催した「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会」(座長:小田切 徳美 明治大学教授)において、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる者である「関係人口」に着目した施策に取り組むことの重要性が議論されました。
このような議論を踏まえ、地方公共団体が実施する、国民が「関係人口」として地域と継続的なつながりを持つ機会・きっかけを提供する取組を「「関係人口」創出事業」モデル事業として採択し、委託調査事業として実施するため提案募集を行い、このたび、採択団体を決定しましたので、お知らせします。 – 総務省HP
4月末に発表された情報には、採択団体の一覧やそれぞれのプラン、そして創出事業全体の事業概要についてのPDFが添付されていました。
以下、引用しながら紹介していきます。
「関係人口」創出事業
冒頭に触れた、平成30年度予算2.5億円「『関係人口』を創出する事業」について紹介されているスライド。(総務省HPより)
(1)地域との関わりを持つ者に対して
(2)これから地域との関わりを持とうとする者等に対して
関係人口を創出する取り組みとして、上記2つのパターンを想定しており、それぞれ 【(1)16+8団体 (2)9団体】に対し、モデル事業として予算配分をする決定がされています。
公募した中から全30団の採択が決定し、そのプランが一覧で発表されました。
モデル事業採択団体の取り組み
全30の団体は、前述の2つに分けられています。
以下、各パターンでの、団体(地域)と事業ポイントについてのスライドを紹介します。
(1)地域との関わりを持つ者に対して
①:その地域にルーツがある人を対象に、地域と継続的なつながりを持つ機会を提供する取組
北海道(苫小牧市・長沼町・安平町・奥尻町・占冠村・美幌町)、 北海道夕張市、岩手県住田町、秋田県鹿角市、新潟県柏崎市、 長野県泰阜村、岐阜県郡上市、 三重県(伊勢市・尾鷲市・鳥羽市・熊野市・志摩市・大台町・玉 城町・度会町・大紀町・南伊勢町・紀北町・御浜町・紀宝町)、 鳥取県日野町、香川県三木町、愛媛県西条市、福岡県うきは市、 鹿児島県肝付町、 秋田県横手市、福島県天栄村、熊本県天草市
②:ふるさと納税を行った人(寄附者)を対象に、地域と継続的なつながりを持つ機会を提供する取組
北海道上士幌町、北海道標茶町、岩手県花巻市、山形県最上町、新潟県(新発田市・魚沼市)、 秋田県横手市、福島県天栄村、熊本県天草市
パターン(1)で採択された団体は、【1 → ∞ 】を促進する取組みのようです。
(2)これから地域との関わりを持とうとする者等に対して
地域と関わりを持ちたいという人に対して、どういった取組みで関係人口を創出していくか…パターン(2)で採択された団体は、【 0 → 1 】【1 → ∞ 】を促進する取組みのようです。
岩手県(一関市・釜石市)、富山県南砺市、福井県(福井市・鯖江市・美浜町・若狭町)、長野県(長野市・小川村)、島根県益田市(津和野町・吉賀町)、島根県邑南町、広島県福山市、徳島県(美馬市・佐那河内村・美波町)、熊本県南小国町
「「関係人口」創出事業」のスケジュール(案)
来年31年度3月末までのスケジュールとして、公表されている案がこちら。総務省・モデル団体それぞれで動き始めています。
『関係人口』という新しい言葉、そしてモデル事業としての予算配分ということで、正直不明瞭な部分が多い印象ですが、各地の取組みとその結果について、そして定点観測的に3月以降の今後の動向なども含めて、注目したいと思います。
おわりに
今回の30団体は、採択団体として紹介されているにすぎず、この地図に載っていない、個々の地域・団体単位で、関係人口を意識した取組みがされていることは言うまでもありません。
関係人口創出事業として予算配分された地域と、そうではない地域と、どのような前進があるのか…興味深いところです。
いずれにしても、「移住移住!!」「 観光観光!!」 と、不毛な奪い合い合戦から移行していることは小さな前進だとは思います。
『関係人口』もその概念に習って、奪い合うのではなく、循環や流動を意識する関わりが出来ればいいのですが…難しそうな気配もしてきましたね。
『関係人口創出事業』続報>>
総務省 PDF/ソース元
採用団体:
http://www.soumu.go.jp/main_content/000548029.pdf
事業概要:
http://www.soumu.go.jp/main_content/000548030.pdf
検討会報告書:
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei08_02000136.html
おススメ書籍
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レビューに関しては適宜ブログ記事で紹介していますが、書籍紹介の記事『旅と関係人口:関係人口を学ぶ3冊の書籍紹介。』も書きましたので、よろしければ参考にしてみてください。
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