こんにちは。
ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。
食べる通信・ポケットマルシェを立ち上げた高橋博之さんが、高知に来られるということで会いに行ってきました。
高橋博之さんは『関係人口』という言葉を定義し使い始めた、いわば『生みの親』のような方でもあります。
関係人口とは、言葉のとおり「地域に関わってくれる人口」のこと。自分でお気に入りの地域に週末ごとに通ってくれたり、頻繁に通わなくても何らかの形でその地域を応援してくれるような人たち。
▼詳しい情報や関連記事の深堀りはこちらから
https://satoshohei.com/kankeijinkou-matome/
僕のこれまでの活動とも親和性が高く共感の多い『関係人口』という言葉。
今年春以降、急速に注目度が高まっており、言葉の認知度も少しずつ高まってきています。
#関係人口 のタグ。
昨年は数人しか使ってなかったのに、今では毎日誰かしらが使っている。
昨年から今年4月くらいまでは、ほぼほぼ知り合いのツイートしか上がってこなかったよなぁ。笑
こういう言葉の定点観測は面白い。
エゴサしてるみたいな気分。笑
— 佐藤翔平 / 日本微住計画 in高知 (@temporubato_yh) 2018年8月19日
…と、気が付いたら関係人口のことをツラツラ書き始めそうなので、話を高橋博之さんへ戻しましょう。
高橋 博之
株式会社ポケットマルシェ・代表取締役CEO『東北食べる通信』編集長/日本食べる通信リーグ代表
1974年、岩手県花巻市生まれ。2006年、岩手県議会議員に初当選。翌年の選挙では2期連続のトップ当選。2011年に巨大防潮堤建設に反対し岩手県知事選に出馬するも次点で落選。
2013年、NPO法人東北開墾を立ち上げ、食べもの付き情報誌「東北食べる通信」編集長に就任。2014年、一般社団法人「日本食べる通信リーグ」を創設し同モデルを全国へ展開。
2016年農家や漁師から直接、旬の食材を購入できるスマホアプリ「ポケットマルシェ」サービス開始。(復興庁主催「新しい東北」復興功績顕彰受賞/「食生活ジャーナリスト大賞」ジャーナリズム部門大賞受賞)
日本各地で展開されている『食べる通信』の生みの親で、現在はポケットマルシェという生産者直販のアプリサービスを提供されています。
今回の高知県入りは『市町村合同就農相談会inイオンモール高知』内のトークショーがあったためだそうで、夜の時間で『平成の百姓一揆』というイベントが別会場で開催されており、夜のイベントの方に今回参加させて頂きました。
平成の百姓一揆
【”平成の百姓一揆 ~47キャラバン~”について】
昨今の日本の食産業を鑑みるに、消費者は日々の食事をガソリン給油のごとく”消費”しています。一方、生産者は想いを込めて育てた生産物に正当な評価をつけてもらえず、買い叩かれているのが現状です。
そんな今こそ、日本の食の未来に当事者意識を持った生産者と消費者が連帯し、立ち上がるべきであると考えた高橋が“世なおしは、食なおし。”の旗を掲げ、全国のみなさまと日本の一次産業の今後を考える座談会を開催するものでございます。- Facebook event
このイベントは『車座(くるまざ)』といって、円陣を組むように輪になって座り意見交換をするスタイルの座談会で、日本各地を周遊する『47キャラバン』の一環なのだそうです。
47キャラバンという名前が付いたのは最近のようですが、車座形式の座談会を通じて生産者と消費者を対面させる食の共有会は、高橋さんが30代の頃からやられているそうで、開催数延べ700回を超えるというお話でした。
今回は2時間半ほどのイベントで、うち1時間半ほどが高橋さんのトーク、残り1時間ほどが参加者の自己紹介と意見交換…というような構成でした。
(その後皆さんは、鰹の塩タタキを食べに行かれました。笑)
高橋さんの話がとにかく面白く、以前本のレビューつきで書いた記事でも触れた『バランス感』を持っている方だなーと、直接お話を聞いても同じ印象を持ちました。
また、想いが言葉にしっかりと乗っかっていて、『熱意』のようなものがガンガン伝わってきました。(なぜかイベント終了後、とても元気になりました。)
都会と地方、どちらが良くてどちらが悪いということでもないし、現在の技術や風潮を必ずしも排除する思想でもありません。
ただ、なんとなくある『違和感』とデータとして表れている『数字』から、これから向かうであろう未来を共有し、『このままでいいのか』という問題提起をしています。
ICレコーダーで音源を録音したので、音源を元に記事を書こうと思っていたのですが、イベント後高橋さんとのメッセンジャーで紹介してもらった本が、イベントで話されていたことと正に重なる部分だったので、今回は本の紹介を簡単に出来ればと思っています。
食べる通信の高橋博之さんこそ、関係人口という言葉を使い始めた方なのですが、先日のイベントでも関係人口という言葉は一切出てきませんでした。
その後メッセージ交換をさせて頂いた際に教えてくれたのが、この本。
ここに書いたよ。と。
直ぐ注文して今日届いたので早速読みたいけど…忙しい… pic.twitter.com/m7cWqdpVx9
— 佐藤翔平 / 日本微住計画 in高知 (@temporubato_yh) 2018年8月17日
人口減少社会の未来学
この本は、隈研吾さんや藻谷浩介さん、平田オリザさんや姜 尚中さんなど、様々な分野で活動する11人の著名人が、各々のフィールドで感じたことを論考する共著となっています。
日本の21世紀末の総人口は中位推計で6000万人と推計されています。
これからの80年間で人口がおよそ7000万人近く減る。
これは政府や自治体が行っている婚活や育児支援のようなレベルの政策で対応できるスケールの変化ではありません。(中略)
これから社会のかたちはどう変わってゆくのか。それについての長期的な予測を立て、それに対して私たちは何できるか、何をなすべきかを論じ、とりあえず今できることから着手するのは未来の世代に対する
私たちの忌避できぬ責任だろうと思います。-内田樹「序論」より
正直読み始めたばかりで、高橋博之さんの章以外はまだ読みきれていないのですが、高橋さんの章(P219~P244)のためだけに購入してもいいほど、中身のある内容だと思いました。
関係人口という言葉が生まれた背景についても、この本で簡潔に語られています。
『平成の百姓一揆~47キャラバン~』に参加された方は記録・復習の資料として、参加されていない方はイベントで共有されている内容を知る機会として、この本をオススメします。
新品価格 |
また、この本で語られていることの背景を更に知りたい方、今まで高橋博之さんが行ってきた様々なプロジェクトやその根底にある想いをより知りたい方には、『都市と地方をかきまぜる「食べる通信」の奇跡』も合わせてオススメします。
都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡 (光文社新書) 新品価格 |
書籍を買うのにはまだハードルが…という方は、先ずは高橋さんが書かれたこの記事を読まれてみては如何でしょうか。
東日本大震災を経て誕生した「東北食べる通信」。7年の月日が流れ、東北食べる通信メンバーは今は何を思うのか。「私と3.11」と題して連載でお送りする。第1回は、編集長の高橋博之。
日本各地を転々とする微住生活のなかで、『逆参勤交代』や『ふるさと難民』、『関係人口』という言葉は、とても実感できるものだったし、僕自身の活動の根源に触れるものでもありました。
今後も高橋さんのアクションを追っかけたいですし、なんなら一緒に何か出来るところまで、僕自身も思考を深め、体験を続け、繋がりの枝葉を伸ばしていきたいと思っています。
皆さんも是非、注目してみてください。
合わせて読んでほしい記事
微住とは『移住・定住』と『旅での滞在』の間にあるような、「旅するように暮らす」「暮らすように旅する」をバッグ一つで実現する、前向きな仮暮らし的生活スタイルであり、地域と繋がるソーシャルアクションのことです。
微住旅のススメ、受け入れ側の仕組み、社会との関わり方など、考えていることや感じていることを、専用ページで共有しています。
▼『微住計画』の情報はページ詳細にて
https://satoshohei.com/bijyu-keikaku/
自分の生活/地方のこれから
皆で見つめ直してみませんか?
地域おこし協力隊員募集中
最新記事 by satoshohei (全て見る)
- 【カレーエコノミー】宮城県岩沼市のふるさと納税『にしきやのレトルトカレー』 - 2020-11-03
- 7/22 高崎経済大学で講演します。 - 2019-07-15
- 【熱海】創業70年以上! 老舗レストラン『宝亭』のカツカレー - 2019-06-29