計画的偶発性を通じて考える高知旅の楽しみかた

サトウ

こんにちは。

ローカルをオウエンする旅人 佐藤翔平(@tempurubato_yh)です。

高知市へ来てひと月半。

物事を熟考する時間よりも、新しい体験や出逢いの割合が多い生活が続き …地に足が着いてないような… 脳内を整理しきれない日々を実感しています。

部屋に散乱した服のように、蓄積と整理整頓のバランスにつまづきながらも、それ相応の充足感を味わいながら、言語化を目指しています。

今回、スタンフォード大学のクランボルツ教授が提唱する『Planned Happenstance Theory (計画された偶発性理論)』をベースに、高知旅の楽しみかたについて考えてみました。

計画的偶発性を通じて旅を考える

先日、TOMARIGI HOSTELで開催したWalk Barというイベントで、「計画された偶発性理論」の話題が出ました。

計画された偶発性理論とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が、キャリアデザインを形成する際の重要な要素として、理論立てて提案しているものです。

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▷キャリアの8割は偶然? キャリアプランに役立つ「計画された偶発性理論」とは – キャリアコンパス

キャリア理論を大きく分けると、未来に重きを置く考え方と、いま現在を重視する考え方があると、All Aboutのキャリアプラン・リーダーシップガイドである藤田聰さんは言います。

「『計画された偶発性理論』は後者。今を大切にしようという考え方です。クランボルツ教授は、『あまりに未来ばかりに気を取られると現在が見えなくなってしまう』と考えました。目的ばかり見ていると見逃すことも多い。想定外のチャンスを失ってしまうというのです」-DODA キャリアコンパスより引用

この理論の要点は、
・個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される
・その偶発的なことを計画的に導くことでキャリアアップをしていくべき
という考えにあります。

たとえば、皆さんも仕事を選ぶとき、人との出会いが決め手となった方も多いでしょう。「計画された偶発性理論」では、個人のキャリアはそうした予期しない出来事の積み重ねで作られる、と考えるのです。-DODA キャリアコンパスより引用

Twitterでも引用したこの記事は、主にキャリアデザインを考えることについて書かれています。

ただ、これと同じようなことが、旅や場作りにおいてもいえるのではと考え、『計画された偶発性理論』をベースに思考を巡らせてみました。

旅と計画的偶発性

従来的なキャリア形成と同じように、旅においても、かつては『模範となるルート』があって、誰かの足跡を辿ることこそが、無難でハズレのないスタンダードだったような気がします。

ただ、最近の旅のニーズやウォンツは、少しずつ変化し始めています。

僕や僕の周りの旅人(国内外問わず)をみると、『無難でハズレのないスタンダード』を求めるよりも、『偶然的な出会いや偶発性を楽しむ』傾向が強くなってきたように感じるのです。

先ほど引用した文章を、自分の実体験や思考をベースに、このように置き換えてみました。

キャリア

・個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される
・その偶発的なことを計画的に導くことでキャリアアップをしていくべき

旅の楽しさの8割は、予想しない偶発的なことによって決定される
・その偶発的なことを計画的に導くことで、旅の楽しさを高めていくべき

想像のつく場所を綿密なスケジュールを立てて巡るより、想像しなかった出会いをゆとりを持って味わえたほうが、僕は充実した旅になると思うのです。(少なくとも僕はそうです。)

偶発する高知旅の魅力

高知市内にあるゲストハウススタッフの一人として、夕食から帰ってきた宿泊者さんと話をしていると、「高知のおっちゃんやおばちゃんに絡まれた」と、笑いながら『ひろめ市場』での体験を話してくれるゲストが少なくありません。

高知市で暮らし始めて、ひと月ちょっと。『公共空間を曖昧にすることに長けている文化圏』という感覚を持ち始めたので、すこし頭のなかを整理してみました。高知、面白いのです。

絡まれた…というとニュアンスに幅が出てしまうので、少し補足をすると、「おっちゃんに食べものをシェアしてもらった」「おばちゃんにお酒をご馳走になった」「仲良くなってそれから2軒飲み歩いた」…など、そういう報告をよく受けるのです。

まさに、偶発的なハプニングですよね。笑

ただ、そのハプニングを楽しむことこそ、旅の醍醐味の一つでもあると思うのです。

おばあちゃんや子供たちに絡まれることも。

また、町を歩いているだけで、絡まれることもあります。

日常的な買い出しの道中でも、このような偶発的な出会いがあるのが高知の面白いところです。

土佐の おきゃく

お酒を飲んで親睦を深める。

先ほどの『ひろめ市場』の話はまさしくですが、これらは『おきゃく』という、高知ならではの宴会(おもてなし?おせっかい?としての 笑)文化の影響だったりするのだと思います。

福岡からミニマリストブロガーのにゃんすさんが来てくれた。1泊2日で『土佐のおきゃく』を楽しんできましたよー!!

土佐では酒宴のことを「おきゃく」と言うがよ。 自由で、楽しく、にぎやかで分け隔てのない「土佐のおきゃく」は 土佐流の人生の楽しみ方ながよ。土佐の「おきゃく」で待ちゆうよ! – 土佐の「おきゃく」2018

関西圏にある南の国、酒飲み大国、それでいて陸の孤島とも称される高知ですから、面白いハプニングや絡まれかたをするのも頷けてしまいます。笑

ゆるい境界線

また別記事でも書いたとおり、高知では様々な境界線がゆるい印象があり、これもまた偶発性を生む要素なのではないかと思っています。

高知市で暮らし始めて、ひと月ちょっと。『公共空間を曖昧にすることに長けている文化圏』という感覚を持ち始めたので、すこし頭のなかを整理してみました。高知、面白いのです。

先日もこのようなツイートをしました。

これは僕の一方的な解釈ですが、 高知市に住んでいると、日常の中にあっても色々と気付かされることがあるのです。(視点一つで、非常に勉強になるし面白い町です。)

おわりに

『高知は観るところがない。楽しめる場所がない。』

これだけ高知を楽しめている自分やゲストさんがいる一方で、高知県は「観光するところがない」と言われることも実は多い県です。

楽しめていない人たちとのギャップは何なんだろう。

一つ思い当たったのは、この『偶発性』という言葉でした。

今回の『計画的偶発性を通じて考える高知旅の楽しみかた』は、Twitterでやり取りをしている際に感じたことでした。

ゲストハウススタッフをしている僕の周りに、高知を楽しんでいる旅人が多かったのは、偶発性を楽しめる人が多かったからなのかもしれません。計画よりも、偶然の面白さを優先してしまう人が多かったからなのかもしれません。

偶然が生まれやすい仕組み

高知市内にいると、『偶然』が生まれやすい要素やヒントを感じる機会が少なくありません。

そのヒントを丁寧に拾い集め、『計画的』に『偶然』を設計することを意識していければ、より付加価値の高い、面白い場に近づけるのかな…と、僕は考えています。

計画と偶然という相反する言葉ですが、その両方を適度に意識することで、点と点とを繋げていきたいですね。

偶然が生まれやすい仕組み

まさにこれは、クランボルツ教授が提唱する『Planned Happenstance Theory (計画された偶発性理論)』のことなのかなーと思いました。

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TOMARIGI HOSTEL 宿情報

TOMARIGI HOSTEL KOCHI は、2018年2月15日、高知駅から徒歩15分の菜園場にオープンした新しいゲストハウスです。

現在FacebookInstagramと、SNSでの情報発信もしております。イベント情報なども随時更新していますので、是非フォローよろしくお願いします。

▼TOMARIGI HOSTEL KOCHI

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ストーリー
 10年前、小心者で人見知りだったある大学生は、「旅」「宿」「本」をきっかけに、多くの発見と変化をすることになりました。そんなオーナーが10年前に抱いた「高知でもそんな場所」を作りたいという思いが、ようやく形になった宿。それが「とまり木」です。
高知市の菜園場商店街通りにある小さなホステル。「商店街」と「旅人」、「高知」と「世界」をつなぐような宿になっていきたいと思っています。

とまり木ホステルでの日々に関しては、こちらのカテゴリーに蓄積させています。

関係ーTOMARIGI HOSTEL KOCHI

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偶発的な出来事が起こりやすいローカル。高知の街も面白いです!!

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名前:佐藤翔平 / 活動:日本のローカルをオウエンする旅人。 【移動する生き方】を実践する中でみえてきた多様な知見を共有しながら、日本各地の人と面白がれる明日を創るべく様々な社会実験をしてきました。 令和元年より、横浜市のBtoB企業で広報を担当しています。 
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